2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

映画館とは他者のいる場所──『そして映画館はつづく』を読んだ

そして映画館はつづく──あの劇場で見た映画はなぜ忘れられないのだろう フィルムアート社 Amazon 日本各地のミニシアター支配人や関係者、また映画制作に携わる人たちへのインタビュー集。奥付を見ると2020年11月初版発行とある。最初の緊急事態宣言および外…

倉橋由美子『反悲劇』を読んだ

反悲劇 (講談社文芸文庫) 作者:倉橋由美子 講談社 Amazon ギリシア悲劇をモチーフにした短篇集。 「向日葵の家」はオレステスとエレクトラの物語。メタ的というのか、登場人物が芝居を演じていることに自覚的だったり、デウス・エクス・マキナを神ではなく人…

映画館で寝たのはひさびさ。映画『メモリア』感想(というほど覚えていない)

週末は大森にいた。初めて来る土地だった。水曜日から金曜までは県内ながら出張的なあれをしていてホテルに三泊。慣れないベッドと知らない人たちに囲まれて緊張があったのか、三日間とも寝付けず日中は睡眠不足気味。辛かった。しかし無事に金曜日に終える…

俺向きの映画ではなかった…『シン・ウルトラマン』感想

IMAXのレイトショーで。観客は思ったほどいなくて50人いたかどうか。レイトショーなので子供はゼロ、パッと見た感じ女性は数人しかいなかったような。おっさん一人客が多そうだったが若そうな人もいた。といってもジロジロ観察したわけじゃないから適当な見…

赤瀬川原平『超芸術トマソン』を読んだ

超芸術トマソン (ちくま文庫) 作者:赤瀬川 原平 筑摩書房 Amazon 路上観察学入門 (ちくま文庫) 筑摩書房 Amazon 超芸術トマソンの(一応の)定義は「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」。トマソンてなんぞやと思ったら1982年に巨人にいた…

浅草を徘徊し国立映画アーカイブで企画展「日本の映画館」を見る

GW最後の二日間となった土日。女の人と浅草に行った。前回来たのが2月下旬。滅多に行かない土地だったのに今年に入ってからもう2回目。理由はGW期間中なのにホテルのプランにかなり安くてお得なのがあったから。金額で旅行先を決めた。 hayasinonakanozou.ha…

GWに見た映画『カモン カモン』と『死刑にいたる病』感想

『カモン カモン』 モノクロの画面は綺麗。とくに都市の景観を広角でとらえたショットはどれもよかった。叔父と甥の交流というストーリーに関しては事前に予想する範囲を超えない、意外性のないもの。甥っ子のわがままっぷりに少し苛々した。彼がそういう性…

ゆる登山記録1 日和田山〜物見山

昨年の2月、ふと思いたちアウトドア趣味などまるでないのに高尾山を(普段着で)登った。 hayasinonakanozou.hatenablog.com 格別楽しかった記憶はないのだが(記事にもそう書いてある)このすぐ後に好日山荘で登山靴と登山用靴下と登山パンツを購入した。上…

『人は2000連休を与えられるとどうなるのか?』を読み自分の無職時代との落差に呆然とする

人は2000連休を与えられるとどうなるのか? 作者:上田啓太 河出書房新社 Amazon 仕事を辞め無職となった著者が、2000日以上に及ぶ自由時間をどう過ごしたかについての記録。解放感を感じるのは最初の二週間くらいまで、一日に1タスク実行で力尽きるよう…

今福龍太『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』を読んで散歩について考える

ヘンリー・ソロー 野生の学舎 作者:今福 龍太 みすず書房 Amazon 今年の冬、年明け頃から散歩を始めた。健康のため、そして長期休暇の暇つぶしが最初の動機だった。部屋にいてパソコンでネットしたり、酒を飲んだり、読書したりしていると気分がモヤモヤして…

多摩動物公園で撮影の練習をする

三年ぶりの、緊急事態宣言もまん防も発出されないゴールデンウィーク。遠出する予定はない(終盤に一泊旅行はする)が、せっかく先日カメラとレンズを新調したので何か撮りに行きたくなった。思えば一眼を触るようになってずいぶん経つが未だ撮影時の設定の…