2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

映画『ベイビー・ブローカー』感想

序盤、最初の客と港だか市場だかで会い、赤ん坊の容姿にあれこれイチャモンつけてくる彼らに対して母親が啖呵切るあたりまでは先の展開が想像つかず面白かった。しかし進むにつれ既視感のある話に。そもそも、韓国では赤ん坊をあんな簡単に買えるのか? 最後…

小松和彦『神隠しと日本人』を読んだ

神隠しと日本人 (角川ソフィア文庫) 作者:小松 和彦 KADOKAWA Amazon 私たちの日常生活のなかで「神隠し」という語があまり用いられなくなってからかなりになる。いつの頃からかは地域差があって一概にはいえないが、およそのところをいえば、都市化の波が急…

IMAXで2回目の『トップガン マーヴェリック』を見てきた

IMAXで2回目に行ってきた。レイトショーだったが観客は50人以上100人未満といったところで公開週を考えると多く感じた。 hayasinonakanozou.hatenablog.com 展開はわかっているから落ち着いて見られるだろう、と思っていたが、冒頭、爆音のアフターバーナー…

腰痛体験記を二冊読む──高野秀行『腰痛探検家』と夏樹静子『腰痛放浪記 椅子がこわい』

腰痛探検家 (集英社文庫) 作者:高野秀行 集英社 Amazon 腰痛放浪記 椅子がこわい (新潮文庫) 作者:静子, 夏樹 新潮社 Amazon 作家二名の腰痛体験記。どちらも年単位の長患い。自分は幸いにも腰痛になったことはないが両方の肩が四十肩になって2年苦しんだの…

俺もブログもいつか消える──古田雄介『ネットで故人の声を聴け』を読んだ

ネットで故人の声を聴け 死にゆく人々の本音 (光文社新書) 作者:古田雄介 光文社 Amazon 個人が気軽に自分の情報をネット上に発信できるようになってすでに四半世紀が経過した。この間、日本国内だけでも3000万人近い人たちが亡くなっているという。このうち…

国立西洋美術館で「自然と人のダイアローグ」展を見てきた

一年半ほどリニューアルのため休館していた国立西洋美術館が再開されて初の企画展。あまり話題になっている感じはないが世間的にはどうなのだろう。自然と人の交流の歴史、その趣旨は自分好みだがラインナップを見たところメジャーな印象は受けず。ただカス…

「でも今日じゃない」──映画『トップガン マーヴェリック』感想

『トップガン』はたぶん高校生の頃にレンタルで見ている。特別感銘を受けた記憶はなく、『マーヴェリック』も、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』も、映画館で何度も予告を見せられたのでお腹いっぱいの感があり、当初はスルーするつもりでいた。今調べたら当初…

人間は猫ほど賢くは生きられない──ジョン・グレイ『猫に学ぶ いかに良く生きるか』を読んだ

猫に学ぶ――いかに良く生きるか 作者:ジョン・グレイ みすず書房 Amazon 人間にとって世界は脅威に満ちた場であり生には不安がつきまとう。哲学も宗教も生きることに伴う不安とその苦しみから解放されることを目的にして生まれた。古代の哲学者たちは禁欲的な…