左肩の痛み

昨年末頃、左肩に鈍い痛みを覚える。朝、着替えをしていて左腕を袖に通そうとしたとき痛みを感じたのが最初の自覚症状だったと思う。これが話に聞く四十肩というやつか、と思った。父親が昔、五十肩で肩が上がらないと言っていたのをすぐに連想した。放っておいたらいつの間にか治った、とも。老眼やらと同じ老化現象の一つならば受け入れるしかない。しかし年が明けても痛みは一向におさまる気配がなく、徐々に増悪しているようにすら感じられた。そして金曜日。仕事中、軽い段ボール箱を左肩で担いだ瞬間、強い痛みを覚え、重さは全然苦ではないのに痛みのあまり数秒しか肩を上げていられず、下げたあとも痛みは尾を引いておさまらなかった。今更ながらネットで「四十肩」で検索すると、放置すると肩関節が固まってしまう恐れあり、などという記述を見かけ、怖くなり、1/11土曜日、整形外科へ。医師に症状を話し、診察、レントゲン撮影。肩関節周辺の組織に炎症が起きる四十肩の初期段階であろうとの診断。炎症を抑える注射をしてもらい、痛み止めと湿布を処方される。医師によると注射をすれば大丈夫のはずだからもう来なくていい、ただし症状に変化がなければまた来い、とのことで、通院にならず安堵する。会計待ちの間に「四十肩 注射」で検索すると、注射で症状が緩和された、治ったとの体験談を見て気が軽くなる。予約せずに行ったところ二時間かかった。とにかく病院は待つ。行くとなると休日の午前中を潰してしまう。注射した結果だが、夜になっても特別痛みは和らがず。今朝になっても、服の袖に腕を通す時、痛みが多少弱まったかも、と思う程度で劇的な改善のレベルではなく。流石に一晩経過すれば注射は効いているだろうし、心細くなる。今週いっぱい経過観察して、ダメそうならば再度医者へ行くしかない。自分は痛みに弱いので憂鬱。そして思ったのだが、院内で順番待ちをしている間、家族に付き添われて杖をつきながらやって来る老人を見て、自分はこの先も一人だろうが、この人たちの年齢になって同じように足腰が弱くなって杖を頼るようになった時、どうやって通院したものか。この人たちには面倒を見てくれる身内がいる。しかし自分にはいないだろう。孤独のままだろう。タクシーで来院し、タクシーで待つ人のないアパートだかに帰るのか。足腰が弱くなると、病院の椅子に座ろうと屈むのさえ苦労するだろう。下手をすれば転倒するかもしれない。想像しているうちに暗澹たる気分になる。一人でも大丈夫だと強気でいられるのは、若いか、健康か、想像力が欠如しているかのいずれかだろう。とにかく健康でなくてはダメだ。