体の不調と心の余裕

f:id:hayasinonakanozou:20210117204739j:plain

年明けからこっち、現場仕事がハードで、だいぶ力仕事をこなした。そのせいだろう、右肩の痛みがひどく、なかなか寝付けなかったり、夜中に痛みで覚醒したりした。無意識に肩を庇うから首のあたりに変な力みがあるらしく、首まで痛くなってきた。人間の体は全部つながっている。一箇所おかしくなれば連結しているほかの箇所も影響を受け、連鎖的におかしくなる。眠れないとなれば、痛みに加えてさらに睡眠不足も加わるので体調は悪くなるばかり。睡眠不足も大概だが、常時体に痛みを感じているのは結構なストレスで、元気だった時と比較してもイライラしがちなのを自覚しているし、心に余裕がなくなっているとも思う。心の余裕のなさは人と接する時顕著になる。人と接するのは元からあまり好きではないが、それでももうちょっと接し方というものがあるだろうよ、と後から自分の不甲斐なさを顧みて自己嫌悪に陥る時もある。もっと別の言い方できたんじゃねえのか、とか。メンタルが体の痛みにやられているのだろう。映画『パラサイト 半地下の家族』で母親が、お金がたんまりあれば自分だって他人に優しくしてやれる、みたいなことを言うシーンがある。ということは、普段この人は他人に優しくできていないのだろう。金が心の余裕を生む、という文脈だったと思う。まあ金も確かに大事だが、生きているのだからまずは健康。これが第一と自分は思う。10億の資産があっても、自分が寝込む時のような猛烈な頭痛(ベッドから動けない。光が眩しくて目も開けられない。頭の中では100人がバスケットボールをやっているかの大騒ぎ)を常時抱えていろ、となったらとてもではないが生きるどころではないと思う。ショーペンハウアーも似たようなことを言っていた。病める王より健康な物乞いの方が幸福だとかなんとか、確か。自分の四十肩は特別な怪我などではなく、加齢によるありふれた老化現象(なる原因はよくわかっていないらしいが、単純に関節という消耗品を酷使し過ぎてガタがきた状態だと思う)であり、中年以降の人の大半は多かれ少なかれ体に不調を抱えているだろう。自分の職場だって、自分より年長の現場作業者は、肩が痛い、腰が痛いと言っていて、そりゃ何十年もブルーワーカーやっていればそうなるよな、と思う一方、ある程度年のいった人間は皆どこかしら不調を抱えているのだから、いつも不機嫌そうだったり、不親切なおっさんが多いのも納得できる。自分もそのグループの一員になろうとしているところだろうが、そりゃちょっとカッコ悪いんじゃないの、という気持ちはある。スマートに気配りができる親切な人は老若男女問わず素晴らしいのだから、そっちのグループの一員になるのを目指すべきだし、自分は金もないし、体も痛いけれど、心の余裕を意識的に作るようにしようぜ、具体的にどうすべきかはわからないけど、痛み止めとか湿布とかリハビリとかの助けを借りて、なんとかそうなれたらいいな、と思った次第。自分にできる範囲で。

 

最近の痛みはかなり強い。今も右肩にズキズキと鈍い痛みがある。土曜日はステロイド注射をしてもらって、20分後には肩が軽くなり痛みも緩和されて感動したものだが、日曜日の朝起きたらやっぱり痛くて、腕を使ってベッドから起き上がれない日々が年明けからずっと続いている。腕を突っ張って起きられないから、マット運動みたいに体を丸めてから反動で起き上がる。『寄生獣』で新一が、ミギーのせいか体の右側が重い感じがする、と呟くシーンがあったが、自分も今そんな感じで、体のバランスが悪い。左肩の痛みは一年かけてほぼ完治するほどまで改善したが、腕を伸び縮みさせるとまだ痛みが出る。もしかするとここが回復の上限で、今後の人生はこの痛みと付き合っていくしかないのかもしれない。体の痛みのせいか、寒さによる気圧の変化か、たまたまなのか、よくわからないが今日は何もする気になれず、昼寝したりベッドでスマホいじったりしているうちに日が暮れた。

f:id:hayasinonakanozou:20210117212654j:plain