浅草を徘徊し国立映画アーカイブで企画展「日本の映画館」を見る

GW最後の二日間となった土日。女の人と浅草に行った。前回来たのが2月下旬。滅多に行かない土地だったのに今年に入ってからもう2回目。理由はGW期間中なのにホテルのプランにかなり安くてお得なのがあったから。金額で旅行先を決めた。

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昼頃、旅行気分を出すために西武線のレッドアローに乗車。道中、「浅草はだいぶ混んでるみたいよ」と連れに教えられる。浅草へ行く前に原宿に用があった。ウォーキング用シューズをニューバランスで買いたかった。山手線に乗り換え原宿で降りる。明治神宮口の方へと歩いて行くといつの間にかリニューアルされたらしく自分の知っている原宿駅ではなくなっていてカルチャーショック。「もうだいぶ前だよ」と連れ。改札出るとポップコーン店の行列が続いている、というのが自分にとっての原宿駅のイメージだったが…。PUMAもなくなっていた。どちらも移転とのこと。駅を出て少し歩くと雨が降ってきたので東急スクエア交差点の軒下で20分ほど雨宿り。若い頃は待つのが苦手だったが中年の今はぼーっと突っ立って時間を経たせるのに苦がない。行き交う大勢を眺めていれば退屈しない。

ほぼ止んでから出発。店舗に入る。ニューバランスの店舗に来たのは初めて。自分が欲しいのはMW1880C21というシューズ。ディスプレイを見ていても埒が明かないのでスタッフにどこにあるかと尋ねると原宿店では取扱いがないが銀座店ならあるはずとの答え。ウォーキング用途ならランニングシューズでもいいのでは、と提案されたが、自分は用途とデザインと価格、総合的に考えて1880が欲しかったのでお薦めは辞退し銀座店に行ってみることにした。結果、銀座店には在庫があり無事買えた。足のサイズを3Dスキャンで測るのに感心した。自分は左が26.1cm、右が26.2cm、平均的な足の形なので2Eでいいだろうと言われる。試着のため出してもらったシューズを履くとクッションが効いていてめちゃくちゃ快適。そのわりにはゴツくなく自分好みのデザイン。即購入した。ニューバランス銀座店、スタッフの対応が丁寧でいいお店だった。

 

本来の目的地浅草へ移動。地下鉄の駅から地上に出るとやはり人が多い。ホテルにチェックインして荷物を部屋に置いてから改めて観光に出発。雷門前から仲見世通りが前回来たときとは比較にならない混雑。ここは鎌倉の小町通りかと錯覚する(どっちが混むんだろう?)。なので脇道? の方から浅草寺方面へ向かう。与ろゐ屋を外からそっと覗く。混んでいたら諦めるつもりだったが午後3時というエアポケット的時刻だったおかげか並ばず入れた。『ラーメン大好き小泉さん』に出てきたお店(自分はアニメ版しか見ていない)。玉子ラーメン950円と餃子3個350円を注文。どちらも予想した以上に旨く、価格も観光地なのに良心的でいいお店。餃子はタレより山椒で食べる方が自分の好みだった。

玉子ラーメン

 

食事後、浅草寺浅草神社にお参り。そのまま付近をぶらぶら歩き、いつかかっぱ橋道具街の方まで。いい感じの箸があったら買おうかとちょこちょこ覗いたがいい出会いはなくホテルへ戻る。途中休憩もせずひたすら歩き続けだったからさすがに堪えた。足が痛いのを通り越して腰が痛くなる。買ったばかりのニューバランスを履いて散策に出ればよかったと後悔。

雷門提灯を下から覗くとそこには龍が

 

夕飯はもんじゃかお好み焼きにしようかと思っていたが外出するのが億劫になり、結果、松屋の地下でサラダとケンタッキーのチキンを買った。前回と同じメニューじゃねえか。旅行先でケンタッキーを食べたくなるのはたぶんルーツレポの影響。博多・長崎・軍艦島回すごい好き。『サタンタンゴ』もルーツレポで知って見に行ったし、この漫画からだいぶ影響を受けている気がする。俺もいつかはツインテールのかわいい女の子に…。

nlab.itmedia.co.jp

疲れていたので酒は飲まずに寝た。

 

翌日。8時過ぎに起床。9時過ぎ、昨日買ったニューバランスに履き替え、二人で朝のお参りに行く。人はまだ多くなくスムーズに仲見世通りを歩けた。賽銭箱も並ばずに済んだ。御朱印を貰ってくると言うので女の人と別れて先にホテルへ戻る。途中コンビニに寄り朝飯を買う。朝起きてすぐは食べられないので基本いつも素泊まりでの宿泊。11時少し前にチェックアウト。この時間になるとかなりの人出に。宝町駅まで都営浅草線で移動し、国立映画アーカイブへ。ここ、宇多丸さんのTBSラジオのCMだかで存在を知った施設。日本の映画館の歴史を振り返る「日本の映画館」という企画展を今やっていてそれが見たかった。

 

2019年から「映画館で映画を見る」を趣味にするようになった。で当初は、箱物が好きなのでせっかく映画館へ行くなら近隣各地の映画館を訪問していこうと考えた。この三年間でかなり多くの映画館を訪問したとは思うが、コロナ禍で遠出を控えるようになったのもあり、まだまだ行けていない所があるのでいずれは行きたい。シネスイッチ銀座、丸の内TOEI、キネカ大森(日本初のシネコン)、川崎のチネチッタ…。世の中のムーブメントの移り変わり、経営的な事情、感染症や戦争といった非常事態でいつ映画館がなくなってしまうかわからない時代。だからこそ、体験の記憶として自分の中に残しておきたい。映画館とは覚めたまま夢を見る特別な場所。その記憶を。

 

国立映画アーカイブは11時開館。自分たちが着いたのは開館してすぐだったので展示室の客としてはたぶんこの日一番だったはず。展示を見る場合は入ってすぐ右手のエレベーターで7階へ上がり、降りた先の受付で観覧料を払う。国立だからか一般250円と格安。会場入口前にどでかい「映」の看板文字が設置されいてその偉容に気圧された。これも企画展の展示の一品。展示室そばには100円入れて後で戻ってくるコインロッカーがあるので荷物があればそこに入れてゆっくり見られるようになっていた。

2006年に閉館した水戸東映劇場の屋上にあったネオン看板

常設展「日本映画の歴史」会場のあとシームレスに企画展会場に繋がる。常設展は20世紀初頭からの日本映画の歴史を時代順に追っていく。1920年代くらいまではお勉強的。しかし衣笠貞之助監督の『狂った一頁(抜粋)』という映画がモニタで流れていたのでなんとなく最初から最後まで見たら、素人目にもカットを素早くつなげる編集やシルエットによる表現は現代でも違和感なく見られたので感心した。女性の髪型やメイクも不思議と今っぽかった。雷の表現が絵なのは仕方ない。そのすぐ隣には映像による関東大震災の記録もあった。これは国立映画アーカイブのサイトからも閲覧できる。貴重な映像。

www.nfaj.go.jp

 

1930年代に入ると小津や黒澤が登場する。戦争中、映画はプロパガンダに使われた。松竹と東宝の競争。終戦から9年しか経っていない1954年に『ゴジラ』公開。デザインが今でも古びていないアニメ『アンデルセン物語』のキャラクター人形たち。などが印象に残った。

企画展は東京をメインとした日本の映画館の歴史。写真撮影可、ただしフラッシュ禁止。かつては映画を見ることが庶民にとって最大の娯楽だった。歩道を埋め尽くさんばかりの人だかりの写真を見て往時を偲ぶ。関東大震災前か戦前だったか忘れてしまったが最盛期には浅草に映画館が6館もあったという。再現した模型だと6館がまとまって建っているので驚いた。あまり古い時代の記録はお勉強になってしまうが近年の展示物だと一気に歴史が身近に感じられる。リニューアル前の新宿武蔵野館の写真、映画の中で香川京子さんが座った銀座シネパトスのシートや劇場名のプレート、シアターN渋谷の定員表示板などがそう。

座っていいとあったのでもちろん座って写真も撮ってきた

 

浅草にあった劇場の上映時間表と高知小劇の入場券刺し

 

シアターN渋谷、行ってみたかった


滞在はちょうど1時間くらい。早い時間帯だったからか、ほとんど他に人がおらずストレスなく展示が見られて大満足。2階では映画の上映もやっているらしく、出る頃には1階のエントランスホールにそこそこ人が集まっていた。以前行った江戸東京博物館もそうだが国立映画アーカイブも楽しくて勉強になるいい施設だと思う。また来たい。今度は映画も見たい。

外には『七人の侍』の旗のレプリカも

 

国立映画アーカイブを出たあとはすぐそばのモンベルへ。前回の山歩きの反省点を改善すべく、ボトルポーチとクールパーカを購入。ボトルポーチは旧商品のため値引きされていた。SとMでMのブラックにした。クールパーカはSとMでめちゃくちゃ迷い、20分くらいかけて5回くらい交互に試着した末(俺は納得するまで試着するタイプ)Sサイズにした。下に着るのはドライTシャツ一枚だろうからタイトめの方がいいと思い。目当ての品をカゴに入れて店内をぶらついていると他にもいろいろ欲しいものが出てきて飽きない。アウトドアを趣味にしたらまた面白くて新しい世界が開けるかもしれない。

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ニューバランスのシューズといい、モンベルのギアといい、満足いく買い物ができたときの幸福感・高揚感といったらない。その後有楽町方面へ移動。銀座は歩行者天国になっていた。銀座インズのやよい軒で遅い昼食をとり、特急で帰宅。12200歩。でもニューバランスのクッションのおかげで足の疲労はさほどでもない。充実した連休最後の二日間を過ごせた。

ホテルの窓から見えた飛行船(トーン変更、窓ガラスの映り込み削除)