『MEN 同じ顔の男たち』を見た

日曜のレイトショーで観客10人程度。

自分が今年見た中で一番わけわからなく一番映像が不快な映画。女性に対して男たちが見下してくる、圧をかけてくることを批判的に描いているつうのはわかったんだがなぜ皆同じ顔なのだろう? 男なんて皆同じ、という意図なら夫と同じ顔であるべきでは。彼らがやたらと全裸になるのも意味不明。単に不快感を喚起するため? 序盤のトンネルから廃屋をスマホで撮影したら写ってました、のシーンと、中盤の林檎が樹から落ちたあとのタックルのシーンは怖くてよかった。イギリスだから牧師か、彼の造形もかなり嫌な感じ。弱っている女性に言葉巧みにつけ入ろうとする、体触ってくる、圧をかけて責めてくる、インテリ気取りの引用発言、結局やることしか考えてない、と男のクソみたいなところを煮詰めて作ったようなキャラ。髪型もナルシストっぽさがよく出ていた。終盤は意味不明。あの表現自体が女性嫌悪を表しているのでは…という気もしたのだがよくわからん。不快で気持ち悪いシーンながら馬鹿馬鹿しさもありでちょっと笑ってしまった。町山さんが本作について、同じ監督の『エクス・マキナ』が男にとって理想的な女性が登場する映画なのに対して、本作は真逆の、女性がもっとも嫌悪する男を登場させた映画だという指摘にはなるほどと思った。前者は科学的、後者は伝説、幻想という対比も成り立つ。大家は結局いいやつだったのか違ったのかよくわからなかった。ラストも投げっぱなしでもやる。『エクス・マキナ』がかなり面白かったから期待していたが全然だった。

カップルが見にきていたが見終わってお互い気まずかったんじゃないかと勝手に心配。これが今年映画館で見る最後の映画かもしれない。