独身中年、献血に行く

会社の健康診断でHbA1cの値が5.6で要経過観察的な結果が出て以来健康意識が高まって甘いものを控える生活を継続している。おやつは基本素焼きナッツ、低糖ヨーグルト、ナチュラルチーズ。もうミスドへは行けない。

hayasinonakanozou.hatenablog.com

 

健診後少し経ってからクリニックでナースと話す機会があり、年末あたりに採血して診てもらえるか尋ねたところ、5.6で要経過観察というのは厳しめな基準であって5.9までは正常値で6.0が境界だから気にしすぎなくていいんじゃないの、という反応だった。やんわりと検査お断りな印象を受けたのでそのまま引き下がった。前回の診断では5.3だったから同じペースで推移したら次の検診では5.9いっちゃうかもしれないじゃん、と釈然としなかったが。所詮は他人事だ。俺は交代勤務従事者なので健診は年に2回ある。次回まで今の甘いものを控えた生活を続けてその結果次第でまた考えればいいか。

 

…と考えていたところ、あ、献血ってどうなんだろう、と思いついた。献血をすると一緒に血液検査もしてくれると聞いたことがあった。ネットで調べるとやはりしてくれるとのこと。はてブで検索したらこんなエントリがヒットした。

togetter.com

え、マジ? 俺は男だからキャバクラくらいチヤホヤしてくれるってこと*1? 一気に興味がわいた。なんだか趣旨がずれていってるが…。

 

9月下旬、休日の予定がとくになかったので行くことにした。事前に予約したほうがスムーズとあったのでアプリから予約して行った。

 

で、実際。なんとなく予想はしていたけれど全然チヤホヤとかなかったですね。上のエントリで紹介されているような事例は一切なし。手続きは事務的、ジュースは無料のサーバーがあって飲み放題だったけどお菓子は受付時にカロリーメイト的な小さいのを一個と、献血が終わったあとに小袋のスナック菓子。俺は一体何度SNSの大袈裟な盛りワードに乗せられれば気が済むんだよ、インターネット初心者か、という気持ちになったが、いや、でもわからない、と思い直した。俺が二十代だったら対応が違った可能性もある。47歳の血より二十代の血の方が価値がありそうだから。

 

面白かったのは受付時に20年くらい前のデータがあると言われて本人確認を求められたこと。ただし献血自体はされていないという。言われたときは忘れていたが、待合室にいる間に思い出した。昔、上野公園だったかに献血カーが来ていたので興味本位で入ったことが一度あったのだ。ただし問診が時間がかかってだるかったので途中でやめてしまった。次は時間に余裕のあるとき来てください、とか言われた記憶がある。そのデータがまだ残っていたようだ。

 

献血の流れ。受付、ロッカーに荷物を預けて待機、医師と問診、また待機、呼ばれたら献血。この間、15分くらいだったか。献血室はとても静か。たくさん献血台*2が並んでいた。左腕からの採血を希望したが血管が柔らかい*3と言われ右腕にされてしまった。会社の健康診断でも血管が見づらいと言われたことがある。400ml採血。初回だったからか、横にずっとナースが付いていて全然リラックスできなかった。備え付けの小さいテレビで見たくもないテレビ番組を見て時間を潰した。本当はもっとキョロキョロして周囲を観察したかったのだが、すぐ横にいられると憚られる。

 

もう忘れたけど20分くらいで終わった。お疲れ様でしただったか、ありがとうございましただったか、事務的に言われて部屋を出た。そのあと待合室でスタッフから軽く説明を聞いて、献血カードとお菓子の入った袋をもらった。アプリに登録するとちょっとした記念品がもらえるとかで既にDLしていたので登録画面を見せてそれももらった。採血後30分程度は休憩してから帰れと言われ、ホットスープを飲みながら、本棚にあった封神演義の最終巻を読んだ。最後の方がどんなだったか忘れていたので。

 

 

読み終わったらちょうど30分くらい経っていた。トイレに寄って、荷物をロッカーから出して退出した。とくに体調の変化はなかった。帰宅してからトマトジュースを飲んでエネルギーを補充した。

 

 

翌日、アプリで血液検査の結果が見られた。どれも正常値。肝心のHbA1cは検査項目にないので知ることはできなかった*4。ご丁寧に、後日ハガキでも血液検査の結果が届いた。

 

人生初の献血を終えての感想。

休日にわざわざ出かけてまでするのは正直微妙。買い物のついでとかなら寄ってもいいかも。10回やると記念品がもらえるので10回はやりたい。社会貢献意識はあまりない…というか、そういう大層なものを持ち出してしまうと窮屈になるので考えないようにしている。俺があって、それから社会、というのが俺の考え方。微粒子レベルでも世の中の役に立つというのは悪い気はしないが。

成分献血ってのもあってそっちは時間はかかるけれど体への負担は少ないらしい。400ml献血がどんなものかはわかったので次はそっちをやるかもしれない。

 

今週末、今更ながら映画『国宝』を見てきた。歌舞伎がどうこう以上に糖尿病が怖くなった。

 

 

*1:そういやコロナ禍前の一時期は会社の先輩と年に何度か飲み会のあとキャバクラへ行ったりしてたけど行かなくなって久しい。もう今後の人生で行くことはないだろう

*2:なんて言うんだろう?

*3:粘っこい、だったかもしれない

*4:事前に知っていたので落胆はなかった