今週の休日

土曜日。朝から早稲田松竹で「遊星からの物体X」「ゼイリブ」鑑賞。前者は、南極の地下深くから蘇った宇宙人に襲撃される観測隊の話。寄生獣の元ネタだろうか、この宇宙人は生物に寄生して乗っ取り、擬態する能力を持っている。仲間の誰が人間で誰が擬態かの疑心暗鬼、いつ襲われるかという緊迫感、グロテスクな宇宙人の造形など、古い映画だがおおいに楽しめた。心肺蘇生の場面と血液検査の場面は名場面だろう。どちらも驚いた。映画は良かったが後ろの座席から度々蹴られて興を削がれたのが非常に残念でまた腹立たしい。あまりにひどいので、映画館で初めて、振り返って蹴るのをやめてくれと注意してしまった。「ゼイリブ」は現代の大衆社会を皮肉るようなSF。テンポが間延びしているように感じた。殴り合いの場面はあんなに長くする必要があったのだろうか。「遊星」を見たあとだとなおのこと退屈で、ちょっと古さを感じた。結局この映画の上映中にも蹴られてうんざり。やめてくれと頼んでも通じないのだから普通の人ではなかったのだろう。今度また同じようなことが起きた時は、相手せずに自分が席を移動した方がいいと学んだ。言えば分かってもらえるだろうと他人をあてにした自分が迂闊だったのだ。分かってくれる人は、そもそも初めから前の席を蹴ったりしない。エンドロールが終わって席を立ったら後ろにはすでにいなかった。映画館を出て、駅前の富士そばで遅い昼食。その後東西線で中野へ移動し、中野ブロードウェイへ。古本屋が目当て。気温が高く、映画を続けて二本見て疲れたか、軽い頭痛。まんだらけ海馬、古書うつつを覗くが欲しいものはなく。古書ワタナベは閉まっていた。一旦外に出て、古本案内処へ。ちくま文庫木山捷平を購入。大塚へ移動し、ホテルへチェックイン。ベッドで横になり、夕方、大戸屋で夕食。その後少し寝て、再び高田馬場へ移動し、早稲田松竹で「恐怖の報酬」レイトショーを鑑賞。2時間夢中になって見た。構図がいいのだろうか、どの場面も見ているだけで心地よくなる。度々挿入される人物のアップもいい。中盤の吊り橋の場面の迫力は最高。見終わってものすごい充実感を覚えた。映画鑑賞後こんなに気分が高揚したのは去年の「地獄の黙示録」以来か。ここ数ヶ月映画をよく見るようになったが、鑑賞後感動することがほぼなく、それを自分の感性の衰えと解釈していたのだが、そう悲観しなくてもよかったのかもしれない。すごいものを見ると圧倒される程度には鈍っていなかった。「すごかったなあ」と呟きながら駅へ向かい、ホテルへ戻る。日曜日。朝食は昨日買っておいたパン二つ。ベッドでプルースト読書。ようやく「ソドムとゴモラⅠ」まで来た。チェックアウトして高田馬場ブックオフへ。ここは都内に数店舗ある、古書の取り扱いもする変わり種のブックオフだとネットで知ったので期待して行った。岩波文庫講談社文芸文庫ちくま文庫が充実。奥には黒っぽい本のコーナーあり。古典新訳文庫「デミアン」と神谷美恵子「生きがいについて」の美本をほぼ半額で購入。いいお店だった。その後新刊書店でオーウェルの「パリ・ロンドン放浪記」とちくま学芸文庫「増補 普通の人々」を購入。本、買いすぎ。女の人と合流し、前から気になっていたハンバーガーショップへ。名店で、昼時でもあり、1時間近く待たされたが、女の人に「恐怖の報酬」について延々語っていたから(相手は塩対応)待ち時間も苦ではなかった。ハンバーガーはボリューム、味、ともに満足。価格は妥当。名店と言われるだけのことはある。その後帰宅。図書館へ本を返しに行き、洗濯し、夕方パスタ自炊。アボカドを和えた。アボカドは栄養価が高いらしいので意識して買うようにしていたが、味も食感もあまり好きではないと自覚したので今後は控える。