映画『イニシェリン島の精霊』はよきボーダーコリー映画だった

『スリー・ビルボード』の監督と知り見に行くことに。 見ているときは全然わからず*1後で知ったのだが舞台は1923年のアイルランドの架空の島。本土では内戦が続いている時代。小さい島だから住民は皆顔見知り。 ブレンダン・グリーソン演じるバイオリン弾き…

pha『持たない幸福論』『どこでもいいからどこかへ行きたい』を読んだ

『人生の土台となる読書』がよかったのでphaさんの本をさらに2冊読んだ。 hayasinonakanozou.hatenablog.com 3冊を通じてphaさんの主張は一貫している。 社会の同調圧力より自分がしたいことや好きなことを優先しよう、大事にしよう。 孤立せず気が合う仲間…

pha『人生の土台となる読書』を読んだ

人生の土台となる読書――ダメな人間でも、なんとか生き延びるための「本の効用」ベスト30 作者:pha ダイヤモンド社 Amazon 著者は冒頭で述べる。読書には「すぐに効く読書」と「ゆっくり効く読書」の2種類があると。 前者は仕事術やライフハックなどの実用書…

なぜそんなに激しく暴力的なのか──映画『ノースマン』を見た

9世紀の北欧が舞台の復讐劇。少年だった王子は目の前で父を叔父に殺され、自らは命からがら逃げ延びる。数年後、生きながらえ成長した彼は仇が今は王位を追われ、妃である母や一族とともにアイスランドで農場を営んでいると知り素性を隠して復讐に赴く。 王…

『本の雑誌2023年2月号』の特集「本を買う」を読んだ

本の雑誌476号2023年2月号 本の雑誌社 Amazon 特集の前文「本は読むためだけにあるのではない。買うためにあるのだ!」がいい。中野善夫さんの寄せた「本を買え。天に届くまで積み上げろ。」は手元に本を置いておけばいつでも(それが遠い未来でも)読むこと…

飯能ハイク 天覧山~多峯主山

起床8時過ぎ。せっかくの平日休みのなのでどこかへ行くか、しかし時間的に遠出は無理。俺が休日に出かける定番スポットといえば本屋古本屋か映画館しかない*1がそれらは土日でも行ける、できれば平日の人が少ないだろうメリットを活かせる場所を…と考え運動…

松本創『軌道』を読んだ

軌道 ――福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い (新潮文庫) 作者:松本 創 新潮社 Amazon 以下、ブクログの感想からコピペ。 2005年4月に発生、107人もの死者を出したJR福知山線脱線事故のノンフィクション。この事故の原因は、収益向上のために安全性を軽視…

2023年年初に思う

もう3日か。今年の121分の1が何もせずにもう過ぎた。 一昨年、昨年と撮っていたおせちの写真は今年はない。なぜならおせちを買っていないから。例年ならば3段重箱セットを購入しているのだが諸事情により今年はなし、来年以降もずっとなし、とあいなった。大…

2022年を振り返る

例年以上に早く過ぎた感のある一年だった。新型コロナは収束せず年中マスク装着生活が相変わらず続いている。マスク装着がデフォになると髭剃り頻度を下げられるので楽でいい。反面、周囲がマスク装着していると相手の表情が窺えずコミュニケーションが不便…

現実は小説より奇なり──『ある行旅死亡人の物語』を読んだ

ある行旅死亡人の物語 作者:武田 惇志,伊藤 亜衣 毎日新聞出版(インプレス) Amazon 2020年に尼崎市のあるアパートで遺体となって発見された高齢女性の素性を探るノンフィクション。この件については以前ネットで読んでおりそのときから関心を抱いていた。…

速水健朗『ラーメンと愛国』を読んだ

ラーメンと愛国 (講談社現代新書) 作者:速水健朗 講談社 Amazon ラーメンを媒介に日本の戦後史をたどる、という趣旨の本。面白くて二日で読了。 太平洋戦争に敗れた日本は深刻な食糧危機に陥った。それを救ったのがアメリカからの小麦の輸入だった。当時アメ…

2冊とも徹夜の勢いで読み耽った──清水潔『殺人犯はそこにいる』『桶川ストーカー殺人事件』

殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―(新潮文庫) 作者:清水 潔 新潮社 Amazon 読了日は11月20日。以下、ブクログに記載した感想からコピペ。 ドラマ「エルピス」の参考文献の1冊。徹夜で読了。著者はある未解決事件が群馬県・栃木県…

トルーマン・カポーティ『冷血』を読んだ

冷血 (新潮文庫) 作者:トルーマン カポーティ 新潮社 Amazon 1959年にカンザス州のホルカム村で発生したクラッター家の4人が殺害された事件を再現したノンフィクション・ノベル。旧訳でも一度読んでいるが20年ぶりくらいに新訳で再読。 この小説は4章からな…

2022年映画ベスト8本

年内に映画館へ行くことはもうないと思うので少し早いがまとめる。 今年は36回映画館へ行った。『トップガン マーヴェリック』と『すずめの戸締まり』は2回鑑賞したから見た本数は34本。うち旧作は3本、『ドライブ・マイ・カー』『セルビアン・フィルム』『8…

2022年買ってよかったもの

…の前に2021年の買ってよかったものを振り返る。 hayasinonakanozou.hatenablog.com 上記エントリのどれも今年も使った。歯磨きは引き続きマメにしている。フロスは慣れてきたのでより廉価なのに買い替えた。マウスウォッシュは今はPCクリニカのを使っている…

『MEN 同じ顔の男たち』を見た

日曜のレイトショーで観客10人程度。 自分が今年見た中で一番わけわからなく一番映像が不快な映画。女性に対して男たちが見下してくる、圧をかけてくることを批判的に描いているつうのはわかったんだがなぜ皆同じ顔なのだろう? 男なんて皆同じ、という意図…

佐野眞一『東電OL殺人事件』を読んだ

東電OL殺人事件(新潮文庫) 作者:佐野眞一 新潮社 Amazon 1997年に渋谷区円山町のアパートの一室で起きた殺人事件。被害者は東京電力の管理職だった三十代の女性。年収が1000万円以上あり金銭的に何不自由ないはずなのに昼の勤務のあと夜な夜な円山町で立ち…

最近の物欲

先日のAmazonブラックフライデーで買ったもの。 ipad mini6スターゴールド64GBとそれ用のガラスフィルム、ケース、ケーブル、アダプタ。iPad mini6は税込67740円。安くはない。これまで使っていたiPad mini4ゴールド128GBは整備済み品で2018年4月に42000円で…

桐野夏生『柔らかな頬』を読んだ

柔らかな頬 上 (文春文庫) 作者:桐野 夏生 文藝春秋 Amazon 日曜日の昼過ぎから読み始めて日付が変わる少し前に読み終えた。ネタバレあり。 不倫相手の別荘を自分の家族と共に何食わぬ顔で訪問した主人公が、男のためなら夫も子供も捨てていいと思った翌日、…

国営武蔵丘陵森林公園で終わりゆく秋を撮る

金曜日午後にワクチン接種の4回目。ファイザー製オミクロン株対応。今って何株なんだ? テレビもニュースもろくに見ない暮らしを送っているので知らない。接種した夜は腕が痛いくらいで熱もなく頭痛もなく強いていうなら腹具合が少々よろしくなかった程度で…

ハリー・ルーベンホールド『切り裂きジャックに殺されたのは誰か』を読んだ

切り裂きジャックに殺されたのは誰か:5人の女性たちの語られざる人生 作者:ハリー ルーベンホールド 青土社 Amazon 私たちは質問されもしなければ、話も聞いてもらえない。それなのに私たちの話が書かれていく……。 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『亜…

今日を生きることが昨日までの自分の肯定になる──映画『すずめの戸締まり』を見た

IMAX上映で2回鑑賞。アニメは専用カメラで撮影されているわけではないからIMAXで見ても画角的には意味がないのはわかっているんだがスクリーンの大きさと音響のよさに魅力を感じて。 初見時、予備知識ないまっさらな状態で見たかったのでYouTubeにアップされ…

映画になった凶悪事件のルポを3冊読んだ 『凶悪』『消された一家』『愛犬家連続殺人』

先日読んだ『殺人現場を歩く』の影響で凶悪事件のルポを読みたくなったので。三つとも有名な事件で映画にもなっている。これらを読んで思うのはありきたりながら「事実は小説より奇なり」という言葉。 『凶悪 ある死刑囚の告発』 凶悪―ある死刑囚の告発―(新…

蜂巣敦『殺人現場を歩く』を読んだ

殺人現場を歩く (ちくま文庫) 作者:蜂巣 敦 筑摩書房 Amazon 主に1990年代に起きた18件の殺人事件現場を訪れる。写真多数掲載。有名な事件としては「綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件」「連続幼女誘拐殺人事件」「埼玉愛犬家連続殺人事件」「世田谷一家…

アーサー・マッケン『怪奇クラブ』を読んだ

怪奇クラブ (創元推理文庫) 作者:アーサー・マッケン 東京創元社 Amazon 復刊。「怪奇クラブ」と「大いなる来復」を収録。今年マッケンを2冊読んだのでその流れで本書も購入、読んだ。 hayasinonakanozou.hatenablog.com 「怪奇クラブ」(原題「三人の詐欺師…

超絶エンタメ映画『RRR』を見た

初めて見たインド映画かもしれない。『バーフバリ』は30分くらい見たが濃すぎて途中で見るのをよした記憶がある。ここぞという場面でわざとらしいスローモーション演出されると笑ってしまう。このシーン注目、みたいな鬱陶しさも少し感じる。『T34』にもスロ…

笠井恵里子『潜入・ゴミ屋敷 孤立社会が生む新しい病』を読んだ

潜入・ゴミ屋敷-孤立社会が生む新しい病 (中公新書ラクレ, 733) 作者:笹井 恵里子 中央公論新社 Amazon 物が散乱しているとか床が見えないとかいうレベルじゃない。ゴミが堆積して層をなしエアコンの高さまで埋まってしまう、玄関までみっしりとゴミが詰まり…

柳下毅一郎『殺人マニア宣言』を読んだ

殺人マニア宣言 (ちくま文庫) 作者:柳下 毅一郎 筑摩書房 Amazon 殺人現場、犯罪博物館、蝋人形館を訪問しレポートする第1章「巡礼の旅」、猟奇事件の文献を渉猟してシリアルキラーとその事件を紹介する第2章「殺人を読む」、アメリカ社会の異常性を笑う第3…

神保町ブックフェスティバルに行ってきた

この土日、神保町ブックフェスティバルが3年ぶりに開催すると金曜日の夜、TwitterのTLで知った。アウトレット本やサイン本などが多数並ぶイベントとは知っていたが行ったことは一度もない。同時期、神田古本まつりも開催。こちらにも行ったことがない。遠い…

春日武彦『屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理』を読んだ

屋根裏に誰かいるんですよ。 都市伝説の精神病理 (河出文庫) 作者:春日武彦 河出書房新社 Amazon 精神医学には、患者が誰かが家に侵入して物を盗んだり悪戯したりする、あるいは天井から話し声が聞こえる、と訴える「幻の同居人」妄想というのがある。大抵は…