読書

男性の孤独について考える① 『男はなぜ孤独死するのか』を読んだ

男はなぜ孤独死するのか 作者:トーマス・ジョイナー 晶文社 Amazon 前から思ってるんだが孤独死という言葉はネガティブイメージが強すぎる気がする。なんたって「孤独」と「死」の組み合わせだからな。もう少しマイルドに単独死じゃだめか。いや、死ぬときは…

中年以降の生き方を考えるための5冊

中年は常にかったるい。 かすみ目。老眼。 集中力が続かず何事もじき飽きる。 眠りが浅くて夜中に何度も目が覚めるから起きても体からだるさが消えない。 ちょっと階段を登ると動悸がすごい。 歯がすり減って噛み合わせが悪くなり食事中に舌を噛むことが増え…

pha『パーティーが終わって、中年がはじまる』と『エリーツ9 特集:45歳からの思春期』を読んだ

phaさんの新刊、楽しみにしていた。蟹ブックスで購入したのでサイン入り、さらにシールも付いてきた。嬉しい。 内容は中年クライシスをめぐるエッセイ。40代半ばになって20代30代までのようには生きられなくなってきたという。同世代(俺の方が一歳年長)の…

『つげ義春が語る 旅と隠遁』『東京人 特集「つげ義春と東京」』を読んだ

みんな大好き、かどうかはともかくとして俺は大好きなつげさんの本と特集した雑誌がほぼ同時期に出たので早速買って読んだ。 つげ義春が語る 旅と隠遁 (単行本 --) 作者:つげ 義春 筑摩書房 Amazon 過去のインタビュー集。半世紀近く前のもあれば2020年のも…

本棚DIY

自分の部屋には本棚が1台しかなかった。 2019年のGWにDIYしたやつ。幅1600mm、高さ800mmくらい。 これに200冊と少し収納している。 が蔵書はそれ以上の数ある。数えていないがたぶん500冊前後。収まらない分は、文庫本は文庫ケースに入れてクローゼット内に…

三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んだ

なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書) 作者:三宅香帆 集英社 Amazon 一般的な勤め人、週5日フルタイムで働いて、生活もしてってやってると、疲れちゃって読書する意欲がでないのはなぜか? という著者の実体験に基づく疑問からはじまる。読書…

飛鳥部勝則『殉教カテリナ車輪』を読んだ

「書泉と、10冊」という復刊企画シリーズの一冊。去年、同じく復刊された同じ作者の『堕天使拷問刑』がとても面白かったので続いて復刊した『黒と愛』『鏡陥穽』に続き4冊目となる本書も予約して購入。魔が差して? ポストカード付きの高額な方を買ってしま…

FI(経済的独立)したい、RE(早期リタイア)はどうでもいい

今年の1月に亡くなった山崎元さんの新刊『山崎元の最終講義 予想と希望を分割せよ』を読んだ。 山崎元の最終講義 予想と希望を分割せよ 作者:山崎 元 PHP研究所 Amazon トウシルに連載していた人生相談を編集して本にまとめたもの。大半は一度読んでいた。中…

19年ぶりの新刊『小説』をきっかけに増田みず子作品を読んだ

増田みず子との出会いは20年くらい前、『シングル・セル』だった。 一人での、人生初の沖縄旅行のお供だった。羽田空港へ向かう電車の中で読み耽った。 孤独な男と謎めいた女の出会いと別れ。 創作の世界にしかありえないような出会い、ありえないような同居…

木澤佐登志『闇の精神史』を読んだ

闇の精神史 (ハヤカワ新書) 作者:木澤 佐登志 早川書房 Amazon スペース(宇宙または空間)をめぐる奇異な思想を紹介する本。 主としてはロシア宇宙主義、アフロフューチャリズム、サイバースペースについて。 本書は「精神史」と銘打っているが通史でもなけ…

ロビン・ダンバー『宗教の起源』を読んだ

宗教の起源 作者:ロビン・ダンバー,小田哲 白揚社 Amazon ブクログによると読み終えたのは去年の12月4日だがブログには感想をまだ書いていなかったので簡単に書いておく。 以下、ブクログの感想をコピペ。 宗教は人間の脳が大きくなるにつれ、共同体の規模が…

2023年読んだ本ベスト&裏ベスト

今年読んだ本は65冊。 去年が75冊だったので去年ほどは読めなかった。 ブクログの履歴を見ると5月は1冊、7月は0冊。7月は職場異動があり慣れない仕事、覚えることの多さにだいぶ参っていたので本を読む元気がなかったのだと思われる。5月は謎。ゼルダの新作…

国家、権力、民主主義、政治について──松村圭一郎『くらしのアナキズム』を読んだ

くらしのアナキズム 作者:松村 圭一郎 ミシマ社 Amazon アナキズム、無政府主義と聞くと既存の体制をぶっ壊せ的な過激な運動をイメージしてしまうが本書のいうアナキズムは究極的な民主主義を指している。国家なしに暮らしをやっていくイズムとでもいおうか…

ジョナサン・マレシック『なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか』を読んで我が身を振り返る

なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか 作者:ジョナサン マレシック 青土社 Amazon ある日突然仕事に価値を認められなくなる燃え尽き症候群──バーンアウト文化について考察する。 少し前に会社で面白くないことがあったのが読んだきっかけ。 hayasinonakanozou.h…

懐かしさと可愛さと奇想が絶妙にブレンドされた世界──panpanya『商店街のあゆみ』

『ぱらのま』経由で『楽園 Le Paradis』を知りそこでこの可愛い少女が出てくる漫画の存在は知っていた。可愛い少女とリアルな背景の組み合わせ。でも読むまでにはいたらずこれまで来た。何かで(Xで?)今月新刊『商店街のあゆみ』が出ると知り、それまでな…

最後の一文がずるい 飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』を読んだ

堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド) 作者:飛鳥部 勝則 早川書房 Amazon 復刊の報を知り購入。『魔女考』『針女』の付録ありバージョン。 著者についての知識はなかったがXが本書の復刊に盛り上がっていたのでなんとなくで購入。届いた本は450頁を越…

「この世のものは何であれいつか終わる」──ミシェル・ウエルベック『滅ぼす』を読んだ

滅ぼす 上 作者:ミシェル・ウエルベック 河出書房新社 Amazon 滅ぼす 下 作者:ミシェル・ウエルベック 河出書房新社 Amazon ブクログによると読み終えたのは8月末。なので読んでから4ヶ月以上が経っている。 もうすでに細部はおろか全体についてさえ記憶は薄…

「闇の深い世界ですね、ナチの美術品取引というのは」──『ヒトラーの馬を奪還せよ 美術探偵、ナチ地下世界を往く』を読んだ

ヒトラーの馬を奪還せよ ――美術探偵、ナチ地下世界を往く (単行本 ) 作者:アルテュール・ブラント 筑摩書房 Amazon 第二次世界大戦終盤、ベルリン攻防戦のさなかで破壊されたと思われていたナチスお抱え彫刻家ヨーゼフ・トーラックによるブロンズの馬(『闊…

背筋『近畿地方のある場所について』を読んだ

近畿地方のある場所について 作者:背筋 KADOKAWA Amazon カクヨムにアップされていたのを今年3月にはてブ経由で知った。当時は「ネット掲載情報4」まで。更新されるたびリアルタイムで読んだ。 kakuyomu.jp その後書籍化。当初は電子版を購入するつもりだっ…

晩酌やめて10日が経過した

なんとなく続けていた晩酌をやめて10日が経過した。 上の写真は2週間の酒量。大した量じゃない。 晩酌は帰宅後のルーチンだった。風呂入って飯食ってから自室に引き上げ適当なつまみと一緒に一杯。デュワーズは暖かい季節ならロックで、寒くなってきたらスト…

当事者たちの貴重な体験を聞く 永田豊隆『妻はサバイバー』 小林エリコ『この地獄を生きるのだ』

妻はサバイバー 作者:永田 豊隆 朝日新聞出版 Amazon 著者は新聞記者。妻を20年にわたって介護している。 妻がかかる病い、示した症状は摂食障害、トラウマによる解離、自殺願望、精神疾患による入院、アルコール依存症、大腿骨頭壊死症、認知症。 食べては…

春日武彦『自殺帳』を読んだ

自殺帳 作者:春日武彦 晶文社 Amazon 精神科医による自殺に関するエッセイ。 自殺という行為を「その不可解さがもはや珍味と化している事案」として考察する。以前著者の『屋根裏に誰かいるんですよ。』を読んだが、あれと同じような、対象を突き放すクール…

レジー『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』を読んだ

ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち (集英社新書) 作者:レジー 集英社 Amazon ここ数年、ビジネス書には教養のタイトルが使われるものが増えているという。 小説、映画、美術、音楽等の教養を手っ取り早く身につけ、それをビジネスで活かし、成功して金…

SNSの問題点について──戸谷洋志『SNSの哲学 リアルとオンラインのあいだ』を読んだ

SNSの哲学: リアルとオンラインのあいだ シリーズ「あいだで考える」 作者:戸谷 洋志 創元社 Amazon SNS(主にInstagramとX)から承認欲求、時間、炎上、アルゴリズム、連帯について考える。タイトルに哲学とあるようにこれらの問題を考えるのにヘーゲル、ハ…

蒐集──これも生きる者のサガか… とみさわ昭仁『無限の本棚』を読んだ

無限の本棚 増殖版 (ちくま文庫) 作者:昭仁, とみさわ 筑摩書房 Amazon 著者の開店した古書店について(現在は閉店している)、自身の蒐集家としての来歴、そして蒐集という行為についての考察、大体そんなことが書いてある。俺ももう30年近く本を買い集めて…

便利でつまらなくなったインターネットについて

わかってるわかってる。おっさんは自分が歳食ったせいで楽しめなくなっただけなのに「〜は終わった」「〜は死んだ」「もうあの頃の〜は帰ってこない」って言いたがるよな。よくわかってる。そんなん言ったって何も変わらないし周りの人を不快な気持ちにさせ…

『現代思想2023年10月号 特集スピリチュアリティの現在』を読んだ

現代思想 2023年10月号 特集=スピリチュアリティの現在 作者:栗田英彦,橋迫瑞穂,石井ゆかり,鏡リュウジ 青土社 Amazon 今年は例年になくよく雑誌を読んでいる。この『現代思想』も、『本の雑誌』『スペクテイター』『SFマガジン』『ユリイカ』『週刊ダイヤ…

『原理運動の研究』『週刊ダイヤモンド 巨大宗教「連鎖没落」』を読んだ

原理運動の研究 (ちくま文庫 ち-20-1) 作者:茶本 繁正 筑摩書房 Amazon 旧統一教会研究の古典であるという。品切れだったがちくま文庫で復刊。刊行が1977年なので情報としてはかなり古い。が、1980年代から90年代にかけての新興宗教全盛時代へ向かって右肩上…

他人との近過ぎる距離が不幸の源である──鶴見済『人間関係を半分降りる』を読んだ

人間関係を半分降りる ――気楽なつながりの作り方 作者:鶴見済 筑摩書房 Amazon 冒頭に「人間の悩みはすべて対人関係の悩み」という心理学者アドラーの言葉が引かれている。さすがにすべてではないだろう、金銭や健康の悩みも中にはあるだろう。でも世の中の…

映画になったら面白そう──チャック・パラニューク『インヴェンション・オブ・サウンド』を読んだ

インヴェンション・オブ・サウンド 作者:チャック パラニューク 早川書房 Amazon 失踪した娘を何年も探している男。 人が絶命する瞬間の叫び声を録音している音響技師の女。 まったく別の人生を歩んでいるはずの二人の人生、二つの物語はやがてひとつになる…