佐倉市にある国立歴史民俗博物館へ行ってきた。
感想を先にまとめると、
・展示の質・量ともかなり充実している
・全部きちんと見ようとしたら半日は必要
・とくに「民俗」と「現代」の展示が面白かった

平日、出勤ピークが過ぎたくらいの時間に出発。昼少し前に到着。疲れた。駐車場が無料でありがたい。入館料600円のところJAF割引で350円になった。
館内は6つの展示室に分かれている。先史・古代、中世、近世、民俗、近代、現代。このうち近代の第5展示室はリニューアルのため閉室中だった。どでかい博物館というと大阪の民博を思い出すが、民博が世界を展示の対象にしていたのに対して歴博は日本を対象としている。平日で台風接近中のため天気が悪かったせいか、館内はかなり空いていてゆっくり展示を見られた。
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基本的に館内の展示は撮影可。一部撮影不可エリアがある。
広いとは知っていたものの*1どのくらいの規模かはイメージしようもなかったので真面目に最初の展示から時間をかけて見ていたら疲れてしまい後半は流し見になった。後で息切れするいつものパターン。「民俗」「現代」の展示までスルーしてそこに全集中すればよかった…とは見たあとだから言えるのであって初見でその判断は不可能。
先史・古代。3.7万年前の後期旧石器時代から8世紀の奈良時代まで。ホモ・サピエンスになって抽象的思考が可能になったのが人類の進化上のターニングポイントだった。そこから文化も生まれた。死者の埋葬や自然に対するはたらきかけとしての呪術は宗教的な思考が発達したからこそ。人はなぜ生まれ死ぬのか、という問いは人類の原初からあったのだろう。

ナウマンゾウの復元模型。頭骨標本は成田市、牙標本は台東区の出土。昔は関東にナウマンゾウがいたんだ。

レプリカの土偶たち。縄文時代のデザインいいね。用をなさなくても人は製作をしたがる生き物なのだろう。

古代人の仮面へのこだわりってなんなのか。

展示室はこんな感じ。ここには集落の模型、黒曜石、翡翠、ワンコなど。イヌは古くからの人類の友。

移動生活をやめて定住するようになるとそれまでなかった新しい問題が出てくる。土地利用、暮らしのルール、病気や怪我、出産や埋葬。その過程で祭祀や呪術も生まれる。定住。土地の私有化。ルソーじゃないが、最初に地面に線を引いてここからここまでは俺の土地だ、と主張した奴をみんなでぶっ殺していたら、そしてそういう奴が現れるたびに同じようにしていたら、世界は今とは変わっていたかもしれない。

昔の墓ってロマンがある。

縄文の女神好き。もちレプリカ。

クマネズミは日本列島に人類が登場する以前から生息していた。

前3から前2世紀、長崎県壱岐の遺跡から見つかったイエネコと思しき骨。大陸からネズミ対策として連れてきたのでは、との見立て。

七支刀。SaGa2秘宝伝説で知った。埴輪が落とす。波動砲ぶっ放せ。

沖ノ島祭祀遺跡。はじまりは巨岩を信仰の対象とした。
中世。平安時代から戦国時代まで。模型多め。貴族の暮らしぶり、王朝文化。子供の頃からこの時代ってあまり関心をそそられない。すでに第1展示室で1時間ほどを費やしており疲れが出てきたので写真は1枚撮っただけ。

近世。江戸時代。中世と近世で1時間くらいかかったのかな。

旅籠の復元。

都市に人が集まるようになるとその日暮らしの労働者も増える。彼らは自然災害の被害をもっとも受ける層だった。安政の大地震は庶民による世直しの気運を高めた。鯰父子取押図のキャプションが笑える。将軍の徳を讃えるように見せかけて実は揶揄している。


カラクリ人形。映画『イノセンス』にこんなのが出てきた。お茶運んでくるやつ。
民俗。こういうのが見たかったんだよ、という感じの暮らしに密着した展示。写真撮影不可のエリアが多いのが残念。儀式から観光地のお土産まで。おせち料理がずらっと並んだ様は圧巻。見ているうちにうきうきしてきた。おせちイコール年明けイコールめでたいという連想が勝手に働くのだろう。各土地のお土産、キーホルダーやペナントといった定番のものがたくさん。仕事を選ばないキティさんがあちこちに。子供部屋や化粧品の展示もあり。さらに進むと妖怪が登場。


広島県庄原市の比婆荒神神楽。紙垂でいいのだろうか? たくさんぶら下がっていて迫力あった。

みんな大好き(?)河童登場。

赤子のような声を出し、尻の穴が三つあり、耐え難い臭いの屁をするという。嗅いだんか。

河童って字が書けたんか。向田邦子のエッセイみたい。

河童は実在する! その証拠。


百鬼夜行図と兵六物語。


フィギュア化してくれ。買うから。

妖怪は世相を反映する。


子供の頃は霊柩車が通りかかると親指を隠した。

境界に石を置いたりもするよな。



お人形様、かなり大きくて迫力あり。

招き猫とだるま。今これ書いてて気づいたんだけど、こけしはいなかった。いてもよさそうなのに。


ビリケンさん。触れません。アメリカ人が作ったとは知らなかった。

死亡と葬儀に関わる展示。
現代。満州事変から太平洋戦争、敗戦、高度経済成長まで。それまであまり人がいなかったのにここだけ妙に多かったのが謎。被爆後の広島および長崎の展示は撮影不可。

佐倉連隊兵舎の内務班再現。

日本国憲法下の国民の権利について解説するポスター。高すぎる代償を払った得た権利。

映画『浮雲』で使用されたセット。


日本住宅公団団地再現。団地に住んでたことはないけど昭和ノスタルジーを感じる。江戸東京博物館にも団地の展示があった。
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公害問題は高度経済成長期の影の部分。第五福竜丸やチェルノブイリを経て東日本大震災による原発事故にも繋がっている、テクノロジーとその制御についての問題。『苦界浄土』、もう何年も積んでる。そろそろ読まんとなあ。

ゴジラも水爆実験から生まれた。
後半は駆け足になった。見終わったあと、館内にあるレストランさくらでわらびもちとホットコーヒーを注文して一服。見学時間ちょうど3時間。先史・古代で1時間、中世と近世で1時間、民俗と現代で1時間くらいの配分だった気がする。展示がかなり多く、ほとんどちゃんと見られていないと思う。近世の芸能と職人や現代の戦争関連の展示、もう少し時間かけて見たかった。疲れて集中できなくなってきたのと、体調がイマイチだったらしく腹が下ってトイレ行きまくりだったので仕方ない。映画館、美術館、博物館、どれも集中して見ると見終わって疲れる。
当初はひよどり坂とそばの武家屋敷行って、それから佐倉ふるさと広場寄ってかぼすちゃんの像を見る予定でいたんだけど、疲れたし天気悪いしで諦めて帰ることにした。結果的にはこの判断は正しかった…と思う。というのも帰り道がかなり混んだので。寄っていたらもっと遅くなった。
東関東自動車道から外環通って関越のルートだったんだけど松戸ICあたりから渋滞でノロノロ。三郷と川口らへんでもハマった。2時間もあれば帰宅できるはずなのに全然。漏らしそうになってやばかった。新倉PAでトイレ休憩したあとようやくスムーズに。圏央道通るのが正解だったか…と思いきや、白岡菖蒲あたりで事故渋滞があったらしく、どっちを行ってもだめだった。ふだん平日夕方に高速走ることなんてないんだけど、毎日あんななんだろうか。だとしたら仕事で通る人は大変だ。
昼飯抜きになってしまったので帰り途中にある三芳PAのどうとんぼり神座でおいしいラーメン食って帰ろうと思っていたら、店があるのは上りだった。俺が寄ったのは下り。なぜか勘違いした。がっくり。結局自宅近くのいつも行くスーパーで安くなった寿司を買って帰宅した。エアコン点けても燃費26.3km/Lだった。さすがはハイブリッド車。
佐倉、もう一回行きたいですね。歴博ももう一度、今度は民俗と現代の展示だけ集中して見て、それからひよどり坂と武家屋敷と佐倉ふるさと広場へ寄りたい。できれば印旛沼も。でも道が混むからなあ。いっそ通勤ラッシュ前の6時とかに家出た方がいいのかもしれない。それか泊まりにするか。

お土産は仮面の女神。
*1:なんせ国立だし