GW初日、棒ノ嶺(棒ノ折山)登ってクタクタに

 

世間より一日早く、本日よりGWに入った。11連休。

充実させたい気持ちがあった。最終日に今年のGWはいい過ごし方をしたと振り返れるような。

休日は前日の退勤時から始まっている。初日、せっかくの平日休みだから休日に行くと混みそうな場所へ行こうと考え、天気がいいとの予報もあり、久々に山歩きすることにした。

 

何年か前から年に何度か、低山ばかりだが山へ行っている。

最後に行ったのは一年前、長瀞宝登山

hayasinonakanozou.hatenablog.com

 

先だっての熱海旅行の帰りにトレッキングポールと速乾タオルを購入してギアを強化した。

これで今までよりちょっと難易度が高い山でも行けそうな気がしたので飯能にある棒ノ嶺へ。朝5時起き。睡眠時間4時間程度。

車で出発。朝早いのもあり道中はスムーズ。青梅に父方の実家がある。子供の頃から何度も通った。なので途中までは勝手知ったる道だった。

 

さわらびの湯という入浴施設の第三駐車場は営業前から開放されているのでそこに駐車。すでに何台か車が停まっていた。先客か。

 

靴を履き替えYAMAPをオンにして出発。装備は基本的に一年前の長瀞と同じ。キャップ、ドライT、ドライパーカ、アルパインパンツ、登山靴、鎖場用の軍手。今回は標高が969mとこれまで行った山より高いのでリュックの中に500mlペットボトルを2本入れてきた。朝食を食べてこなかったので(山中にはトイレがないので催したくなかった)山頂で食べようとインゼリーとソイジョイを二つずつ。速乾タオルは首に巻いた。トレッキングポール2本。

 

登山道は少し離れている。ちょっと道を登って名栗湖と有馬ダムを経由した先。

ここの坂を登るのに早速トレッキングポールに頼った。初めて使ったが楽ちんでいい。転ばぬ先の杖とはよく言ったものだ。


途中バイカーとすれ違ったが俺以外に登山客と思しき人影は見当たらず。湖に沿って登山口へ。登山口のすぐ近くにも数台停められる駐車スペースがある。

 

ルートに関しては以下のサイトを参照した。

www.yamagirl.net

 

今までいくつか低山を登る…というか歩いてきた。俺は基本的に休憩を挟まず歩き続けるのでサイトに書かれている所要時間より大幅に早く終わるのが常だった。職場で毎日1万歩以上歩き回っているのもあり脚にはちょっと自信がある。体力も46歳にしてはある方だと思う。体重・体組成計では体年齢40歳の判定、フィットボクシング2では25歳の判定(これはユーザーのモチベを上げるためのリップサービスだろうけど)が出ている。

 

そう思ってきたのだが…過信だった。

棒ノ嶺、初心者向けの山と侮っていた。登ったらくっそキツかった。山頂に着く前に足が上がらなくなるし、登り道で息切れするし、下りが急傾斜すぎて何度も心が折れそうに。2回もこけちまった。

 

山に入ってすぐ、7時にもなっていない時点でもう汗ダラダラ。これまでは途中でベンチを見かけてもスルーして歩き続けたのに今回は見かけるたびに座って水分補給して10分程度休んだ。なので当然時間もかかった。

 

沢を渡る箇所がわかりづらくてちょっと迷いかけた。足場になる岩が濡れていて足をかけたら滑って前に転倒してしまった。左手をついた拍子に石に指をしたたかにぶつけて痛かった。こんな山歩きでケガなんかしたら本当にバカらしい。しかしこけたくてこけたわけじゃない。この山の沢歩きは高尾山の6号路を少しハードにした感じ。

hayasinonakanozou.hatenablog.com

 

 

 

その先にゴルジュ帯。人が写っていないのでサイズがわかりづらいがなかなかの偉容で迫力がある。この切り立った岩と岩の間を登っていく。俺が今回棒ノ嶺に来たかった理由の一つがこのゴルジュ帯を登ってみたかったから。

 

しかしトレッキングポールを両手に持った状態でここを行くのは難儀だった。素手で岩を掴みながら登った方が早いし安全なのでトレッキングポールが完全にお荷物に。

 

ゴルジュ帯を過ぎた先は鎖場。3点支持で登るからここでもトレッキングポールが邪魔に。かと言って都度畳んでリュックにしまうってのも億劫。仕方ないので手首にストラップを通した状態で登った。鎖は汚れていなかったがロープは泥だらけだったので軍手を持ってきて正解だった。

 

沢歩き、ゴルジュ帯、鎖場。ほぼ初めてのシチュエーションにテンションが高まったがその先は急な登りが延々続くばかりで、疲労も蓄積していき、ワイルド過ぎて道もよくわからんし、だんだん嫌になってきた。丸太階段はあるものの一段が高過ぎて足を上げるのがきつい。最後の方は崩れる危険があるからと階段使用禁止との表示がされていた。

 

中間地点の岩茸石。狭いがこの岩の左側をすり抜けて下山ルートに入る。ゴルジュ帯を下るのはかなり危険だろうから登り下りがほぼ一方通行になっている。おかげですれ違いがないのはメリット。ここまで来たら山頂は近いがすでに足がきつくてここで引き返そうかとの考えがチラッと頭を掠めた。

 

こんな感じの歩きやすいだらだら坂ならへっちゃらなんだが飛び出した木の根が入り組んでいたり岩場だったり傾斜がきつかったりで疲弊する。こういう道が目の前に開けたときはボーナスステージだと嬉しくなる。すぐに終わってしまうのだが。

 

途中でルートから外れて茂みの中を突き進んでいたら山頂に着いた。ここまで2時間。これまでの山歩きとは比較にならないくらいきつかった。

 

桜は散ってしまっていたがまだ葉桜にはなっておらず、地面には花びらが絨毯のように敷かれていて綺麗だった。ああ、桜にはこういう綺麗さもあるんだな、と目を開かれた。ベンチに座って水分、インゼリー、ソイジョイを補給。絶景と聞いたが眺望は木に遮られてよく見えなかった。日差しがかなり強かった。今日は最高気温25℃を超えるという。気温がピークに達する昼前には下山していたい。15分ほど休憩。数名が前後して到着。

 

下り途中で何人かとすれ違う。登りが急傾斜ってことは必然的に下りもそうなる。ここでようやくトレッキングポールが役に立った。途中、ぬかるんだ地面に足を取られて本日二度目の転倒。今度は後ろにズルっと。咄嗟に突いた左手が泥塗れになってうんざり。下りは滑らないよう踏ん張るので膝に負担がかかる。岩茸石まで戻ってきたときにはベンチに座ってしばらく立ち上がれなかった。どこでもドアが欲しくなった。

 

そのあと80分くらいかけて下山。途中、林道を3回渡る。下ってるのに登りになるルートが一部ありうんざり。矢印看板に目的地の河又(さわらびの湯)まで1.6キロとかあるのを見て絶望的な気分に。平地ならなんてことはないのに山道の1キロはなかなか距離が稼げず時間ばかりかかる。途中、親指2本分くらいありそうなでかいスズメバチが飛んでるのを見て立ちすくむ。怖かった。飛び去ったのを見計らって早足で通過。この時ばかりは足が軽快に動いた。何箇所かクマバチが飛んでいる箇所もあり、こけたのもあるし、尾根ギリギリを歩けば転落のリスクもあるし、飯能にいるか知らんがクマに遭遇するかもしれないし、ほんとアウトドアって危険で健康に悪いよなあとしみじみ思った。棒ノ嶺は山に入ってしまうとトイレも水場もない。幸いにも催さなかったからいいものの大きい方がしたくなったらどうするんだろう? 藪の中? 考えたくもない。

 

残り600mあたりから車の走行音がかすかに聞こえてきた。民家はまだ見えないものの視界の先が明るくなってくる。もうすぐ終わる、との安堵が湧く。前にも後ろにも人の姿なし。俺も含め皆が同じペースでずっと歩いていたってことか。

 

無事下山。時間かかったとはいえ5時間をきっているから遅くはないのか。

昼前だったがかなりの日差しで暑い。あー疲れたーと大きく声に出した。

 

車で入ってきた道を今度は歩いて上り駐車場まで。俺が来た朝には数台しか停まっていなかった駐車場も半分ほど埋まっていた。半分くらいは県外ナンバーのようだった。

 

汗を拭き、泥まみれの靴を履き替え、着替えとタオルを持ってさわらびの湯へ。体と髪を洗い、露天風呂に浸かり、心身の疲れを癒す。モナカアイスを買い、休憩スペースで置いてあったヤマノススメを読みながら食べる。漫画は読んでいない、アニメはシーズン1だけ視聴した。5巻に棒ノ嶺とさわらびの湯が出てくる。登山初心者の女の子があっさり登ってて苦笑。いやいやいくら10代でもこんな気軽に行って帰ってこられる山じゃないだろ。急傾斜、登るも下るもきつかった。

 

高尾山って素晴らしいんだな、と改めて見直す気持ちに。ケーブルカーでショートカットできるし、道は舗装されているし、6号路を行けば本格的な山歩きが楽しめるし、気軽に山を楽しむのにうってつけ。

 

さっぱりしたところで腹が減った。さわらびの湯には食事がないのですぐ横のノーラ名栗へ。グランピング場らしい。キャンプはワイルド過ぎて不便なので興味ないが*1文明に管理されたグランピングは快適そうなのでいつか一度やってみたいと思っている。夏は虫がやばいから秋がいいのだろうか。ここにカフェ兼お土産屋さんがあったので入った。メニューにフィンランドの料理があって興味を持った。一番上にあるから推しメニューなのだろうか。しかし空腹時によくわからない料理にチャレンジするほどの度胸はなかったのでサバのサルサカレーを注文。盛り付け綺麗で味も美味しかった。皿がル・クルーゼでおしゃれ。お土産に名栗まんじゅうを購入。

 

棒ノ嶺は一度登ればもういいや、という感想だが名栗は自然が豊かでとても俺好みの場所だった。来るまでの道も比較的空いていてスムーズに走れるからストレスがない。GWは混むかもしれないが。フィンランド料理を食べにまた来てもいいかもしれない。

 

いつ行くか未定だが、今度行く山は整備された歩きやすい山がいい。御岳山か、筑波山か、大山か、そのあたり。

 

帰宅して少し寝た。

これを書いている今、足がめちゃくちゃだるい。若干頭痛も。疲労回復にユンケルを飲んだ。

これで体調崩して連休潰したら笑えるな。いや笑えないが。

 

*1:何度か付き合いで体験はしている。向いていないと思った