スマホ通信障害のなか、映画『ブラック・フォン』を見てきた

現在もアンテナが立ってない

前置きから。

昼頃、髪を切ろうと美容室に電話したところつながらず、妙に思いiPhoneの画面を見るとアンテナが一本も立っていない。機内モードに切り替えてすぐに戻す所作をしたものの改善せず、再起動。これまでも何らかの原因でうまく通信できない状況になっても再起動すると解決してきた。が、再起動しても変わらない。wi-fiなら問題なくつながる。電話ができない。MacTwitter検索するとKDDIですでに同日未明から通信障害が起きており、現在も復旧の見込みが立っていないとのこと。自分が契約しているUQ mobileau回線だから影響を受けたらしい。

われながら悠長。実家暮らしの便利なところで家電から美容室に電話すると今日は予約でいっぱいだと断られる。しゃーない。明日日曜日は一日出かけてしまうので行けないし、またにする。ベッドに横になり本を読んでいたら眠くなってきたのでそのまま昼寝。起きたのは三時過ぎ。スマホを見るとまだ復旧していなかった。

夕方頃には復旧するかと勝手に思っていたのだがどうやら厳しそう。今日は『ブラック・フォン』を見に行く予定で、すでに座席も予約してしまっていた。電車で行くのでモバイルSuicaが使えるかどうか調べると、仕組みはよくわからんが通信していなくてもバッテリーがあれば問題なく使えるとのこと。チケット発券の際必要になるQRコードはスクショを撮る。現地で何か不都合があればスタッフに言えば対応してくれるだろう、と暢気に考え出発。Suicaは問題なく使えた。さらにはアンテナが立っていないままでも4Gでモバイル通信ができた。

キャッシュレス、ペーパーレスなデジタル社会は便利だが、脆い。電車の中では、貴重な通信のリソースを俺なんかのくだらんネット閲覧で減らしては申し訳ないのでスマホはいじらず寝て過ごした。電車乗っても、降りて町を歩いても、大規模な通信トラブルが起きている緊迫感というか、そういうそぶりが見られるでも会話が聞かれるでもなく、いたっていつもどおりの、やたらと蒸し暑い夕暮れだけがあった。

 

 

で、『ブラック・フォン』である。

序盤はちょっとだるい。父親による子供への暴力とか、学校での喧嘩とかいじめとか、主人公が誘拐される前に二人の同級生が誘拐されるのだがそのあたりの展開がまだるっこしかった。主人公が誘拐され地下室に閉じ込められてからが本番。電話を通じた死者からのアドバイスを頼りに脱出を試みる中盤は楽しい。床下を素手で掘ってどうするのかと疑問だったが、冷凍庫の件といい最後に役に立つ。窓の桟にケーブルを引っ掛けるシーンは惜しかった。イーサン・ホーク演じるグラバーはマスクが不気味で素晴らしい。上階に奴がいる、とか、主人公を見ながら涙ぐむとか、最初コイツは「上階の奴」に命令されて子供たちを誘拐しているのかと思ったら全然違った。ていうか何が目的で子供を誘拐していたのかの説明はない。ストーリーの都合のためとしか思えず、まあホラー映画なんてそんなものでいいのかもしれず、わざわざ線の切れた黒電話経由でメッセージを伝えてくる犠牲者たちも(シックスセンス的に彼らの姿も描かれるのに)不自然と言えばたしかにそう。でもこの電話が最後の最後で(物理)として役に立つとは…ちょっと笑ってしまった。グラバーを倒して無事生還したことで、主人公はこれまで自分をいじめてきた連中を見返してやり、学校内の有名人になる。通過儀礼というか、友情を通じた少年の成長物語になっている。B級ホラー映画として気軽に見られる面白さはあるものの、先にも述べたようにストーリーに粗い部分があるのと、突然大きな音が出るびっくりシーン(苦手)が何度かあるのとで、自分としてはまあ及第点かな、くらいな感じ。父親の暴力シーンは必要あったか? あんな暴力振るっておいて「愛してる」とか最後の抱擁シーンとか、なんやコイツ、と白けてしまった。予知能力のある妹役の女優が可愛かった。

以上、そんなところ。