朝には『呪詛』を、夜には『X』を

7月は面白そうなホラー映画の公開が多い。『ブラック・フォン』は楽しみにしていたのにいまいちだったが、『X』『セルビアン・フィルム4K』『女神の継承』あとNetflixで『呪詛』。都合が合えばどれも見に行きたいと思っている。

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『呪詛』は台湾のホラー。これを見たいがためにNetflixに再入会した。POV形式は臨場感があり、画面をよく見ようと集中するのでそのぶん緊張感が増す。かなり怖そうだったので夜は避けて日曜の午前中に視聴。ビビリ。ある異端宗教の儀式を撮影するために山奥の村を訪れた動画配信者の三人組は再生数稼ぎのために禁忌を犯し、そのため二人が死に、主人公の女性のみが助かる。彼女が助かったのは多分妊娠していた子供を(そうと知らずに)捧げたせい。助かりはしたものの呪いを受けてしまい、そのせいで彼女の周囲の人たちが巻き込まれ次々に死んでいく。事件から6年後、彼女は里子に出していた娘を引き取り一緒に暮らしはじめるが呪いは娘にも及んでいた。娘をなんとか助けようと奮闘する、というストーリー。

やっぱPOV形式は画面に集中するから見ていて疲れる。『リング』と同じで撮影した動画を見ると呪われてしまい確実に死んでしまう。呪われたわが子を助けようとするというストーリーも似ている。血がドバーなシーンはほぼないけれどじっとりとした嫌な感じが終始漂いかなり怖いし気持ち悪かった。事態をより悪化させていく主人公の身勝手な行動にはイライラ(映画の都合上仕方ないのだが)。入ってはならない地下道で何が起きたのかをちゃんと最後に見せてくれるのでそこはよかった。この映画はPOV形式でなくてはならない理由がある。が、それがミスリードにもつながっている。そこが面白いと思った。これ以上は核心になってしまうので書けないが。でもこの映画、編集されているんだよな。この映画自体が呪いの動画だということなのかな。 

 

 

同日夜、レイトショーで『X』を。舞台は1979年のテキサス。自主制作ポルノを撮影に来た6人の男女が離れを借りた農家の老夫婦が実はシリアルキラーだった…というストーリー。『テイキング・オブ・デボラ・ローガン』とか『ヴィジット』とか婆ちゃんメインのホラー映画はかなり気味悪くて怖い。容貌と意思の疎通が困難なところが怖さの源なんだと思う。この映画のパール婆ちゃんも不気味。でもナイフでめった刺しにしたり鋤で頭ぶっ刺したり、がりがりに痩せているのにかなりの怪力。『呪詛』がじめじめした不快感で恐怖を演出するのに対してこっちはナイフやら猟銃やらで血がドバー出て派手。

前半はかなりだるい。面白くなってくるのは夜になってから。この映画は一晩の出来事なので事態が動き始めると展開はスムーズに。地下室にライトを取りに行くシーンは(すでにそこに何かがあることを観客は知っているので)緊張感があった。ミア・ゴスがワニに気づかず泳ぐシーン、隠れていたベッドの下から這って逃げるシーンも緊張感がありよかった。相手は高齢者だから無理をすると体がもたない。それが話のオチになっているのもいい。ラストは爽快感あり。ミア・ゴス好きなので彼女の活躍が見られてかなり満足。エンドロールでパールも彼女が演じていたと知り驚いた。タイトルのXはマキシーンのXと「Xファクター」をかけているのかな? なんでこのタイトルなのかわからん。テレビでキリスト教の演説していたおっさんが親父だった設定はいずれ活かされるのかどうか。若き日のパールが大暴れするっぽい続編も楽しみ。