映画『ドント・ブリーズ2』を見た

緊急事態宣言下であるが映画館ならば換気あり対面なしなのでいいだろうとイオンシネマ板橋にて鑑賞。途中東上線の乗り継ぎを間違えた。電車は月に一度乗るかどうかなのでよく間違える。雨の日、傘を持って電車に乗って映画館へ行くのはだるい。

人は少ないだろうと予想していたら案に相違してかなり多かった。以前の緊急事態宣言の際はロビーが冊みたいなので囲われて一箇所しか入り口がなく、スタッフによる検温を経なければ入れなかった。しかし今日はロビーは通常通り開放され、検温ももぎりで実施と従来と特に変わらぬ対策のみ。案内板を見ると子供向けのアニメ映画が何作かかかっているようで表示には完売または残少がちらほら。一席開け販売で普段の半分程度しか劇場に入れないせいだろう。この時は知る由もなかったが本日の都内の新型コロナ新規感染者数は5773人と過去最多、埼玉県も1696人で同じく過去最多となった。病床逼迫のニュースも聞かれるようになり、かなり切迫した状況という印象。結局今年の夏も昨年同様遠出できずに終わる。来年の夏もこんなんじゃないかという諦めと、なんら有効な対策を打てない、そのくせ五輪は開催する、感染拡大は五輪とは無関係だと主張する、五輪はやったが国民の帰省や旅行は自粛を要請する、といった自分たちが言ってることが支離滅裂だと自覚すらできていない政府への怒りを覚える。このままずるずるお願いベースの感染防止策しか打てないなら倒産する企業や困窮する人を増やすだけでしかないだろう。

 

と、映画と全く無関係なことを書いてしまったが、一応本日の記録、日記として残しておく。映画についての感想は端的に言って以下。

前作の面白さって、盲目だと舐めていた爺さんが実は超人だった意外さと、彼のイカれっぷり、そして彼から逃げるには一切の音を立てられない緊張感にあったと思う。音を立てる=死というスリル。中盤の、なんとか逃げ切った! からの絶望という展開もよかった。前作は基本的に追いかけてくる殺人鬼から逃げるというオーソドックスなホラーだった。今作はというとかなりアクション要素が強め。ほとんどアクション映画と言っていいと思う。今作は前作とは監督が違う模様。

 

前作にも増してスポイト爺さんは盲目なのに不自由なく動き回る。前作はまだ壁に手をついたり手探りする素振りを見せたりしたが今回はそういう仕草はほとんどなかった。前作は盲目でも勝手知ったる自宅だからあれだけ立ち回れたと思おうとすれば思えたが、今回は殴り込みに行って内部を知らないホテル内を自在に動き回るからもう盲目設定はほとんど活きてない。視覚以外が超人だから目が見えなくても問題ない。つまらなくはないんだけど、これわざわざドント・ブリーズでやることか? という思いは付きまとう。

 

スポイトの異常さは分かっているから彼がヒーローになるわけがない、とは見る前から予想がつく。彼の女への執着は娘への歪んだ愛情ゆえ。とすれば予告で出てくる少女はスポイトに監禁されている被害者であり、敵対するグループは彼女を救出に来た傭兵か何かか? と思いきや序盤で一般人を殺したり、犬を殺すクズっぷりを披露するのでよくわからなくなる。人相も悪いし。予想は半分当たり、半分外れといったところで、結局今作も前作同様クズとクズが潰し合う話といえばそう。あのホテルはどう見てもヒーローの根城じゃない、むしろ笑ってしまうほど悪の巣窟オーラを醸している。車椅子の女は本当にムカつくいいキャラだった。ツッコミどころは数え切れない。移植手術とか、もう一人の盲目男の立ち回りとか、ラストのハートウォーミング志向とか。一番の違和感としてはスポイトの飼い犬(シャドー)は別に殺さなくてよかった。初めから登場させずスポイトは敵グループの犬と行動する、でよかった。なんで犬を殺すシーンを入れるのか。犬を守れない奴は何やってもダメ、とは押井守監督のジョン・ウィック評だっけか。でもスポイトが自分を襲ってくる犬を一切攻撃しなかった点は褒めていい。それと比較して敵グループはあっさり飼い犬を見殺しにするクズどもだから皆殺しにあって当然。因果応報。でも犬が殺されるから自分にとってはこの映画はクソ映画である。無印はたまに見たくなるけれどこの2はそういう感じでもない。無印の出来がよすぎたからハードルが上がってしまった面もあるが。