去年利用したJR東日本のどこかにビューーン! を今年も利用した。JRE BANKの特典クーポンのおかげで通常なら6000ポイント消費するところ4000ポイントで済んだ。
候補地ガチャを何度かやり直して上越妙高、山形、二戸、新潟が出たところで申し込んだ。結果は山形だった。初めての土地。今回の旅程は一泊二日。
平日有給。11時過ぎの大宮発つばさに乗車。
車内ではずっとN'toを聴きながら伊藤計劃『虐殺器官』を読んでいた。奇しくもこの日は9月11日。新幹線は読書が捗る。

14時前、山形駅に到着。

東口へ。生憎の空模様。

山交センターへ行き、ご当地交通系ICカードのヤマコウチェリカを購入。

だいぶ昼を過ぎてしまったがまずは腹ごしらえ。バスには乗らず徒歩で目的地へ向かう。

道路も歩道も広い。土地あるなあ…という感じ。途中から小雨がぱらついてきたので傘を差した。すぐに止んだ。

20分ほどで到着。栄屋本店。冷やしラーメン発祥のお店だそう。

もちろん冷やしラーメンを注文。1050円。氷が入っている。歩いてきて火照った体によく効いた。スープは甘しょっぱく、麺のコシは柔らかく…もう食レポはやめたほうがいい…美味でした! もやしがたっぷり入っているのも嬉しかった。
ホテルのチェックインは16時からなのでまだ時間が早かった。とはいえすぐ近くなので一旦訪問して荷物だけ預ける。身軽になって再び街歩き。コーヒーが飲みたくて、何軒か通りかかった喫茶店を覗いたんだけど(カフェというより喫茶店という佇まい)、どこも地元の常連客の集会所みたいな感じで一見客には入りづらく、勇を鼓して入ったところで俺みたいな内向的な人間はリラックスできないだろう…コーヒーを飲む=リラックスしたいであり、ただ席に座ってコーヒーが飲めればいいってもんじゃないんだ*1…などと考えながらさまよううち、隈研吾的巨大空間に遭遇。

なんだこれは。どうも山形銀行のフリースペースらしい。ここにキッチンカーのようなお店があってコーヒーを売っていた。なので購入し、テーブルに座って一休み。俺は屋内より屋外の広々した空間を好むので*2、もろに俺好みなこの空間でコーヒーが飲めるのはツイていた。ちなみに隈研吾は無関係です。ウッド調のルーバーが連なっているから俺が勝手にそう思っただけ。

平日の午後とはいえ、俺以外にはたまに何人かが座るくらいで、その人たちも俺より先に移動してしまい、基本的にはガラガラ。座っていてもいいのか不安になるレベル。傍目には不審者かもしれない。ChatGPTによるとここ七日町周辺は山形駅前と並んで市の中心的な商業エリアだが、車の往来こそあれ歩いている人の数は決して多くはない。寂しいともいえるが人混みが嫌いな俺には天国のように快適である。

この大きなビルも現在は営業していないっぽい。往時を偲ばせる。
周辺をぶらぶらしていたらチェックイン時間になったので向かう。ステイイン七日町。駅周辺ではなくなぜ駅から離れた七日町に宿をとったのか…その理由はいずれまた別の記事に書くつもり。

だらだらしていたらいい時間になった。腹が減ったので食いに出る。

途中、いい感じの路地を発見。

空がこんなだった。

ひたすら続く板塀。お寺さんがやたらと多い。ChatGPTに聞くと「山形城下では、城下町の外縁部などに寺院が集められ、現在の七日町から東側・北東側にかけても寺院がかなり残っています」とのこと。

到着。郷土料理あげつま。山形の夜、何を食べたらいいのかわからず、かといって酒を飲む気もないので飲み屋にも入れず、じゃあ久々に鰻でも食うか、となって選んだ。こういうお店あるあるだが、金曜なので宴会っぽい集まりをやっているようだった。一方で個人客の方は少なく、静かだった。よさげな中庭があったが暗くてよく見えなかったのが残念。

鰻重どーん。いやあ、鰻も高くなりましたね。一切れでも5000円。一切れ半はないとご飯が見えちゃう。ご飯が見えてるとテンションちょっと下がりますね。とはいえ予算には限りがある。10年くらい前なら、もちろん店によるが、3000円で一切れ半の鰻重が食べられたんじゃないか。
ワシントン条約…持続可能性…今や鰻を食うことは一つの政治的態度(笑)だ。某衣料メーカーの服を着るかどうか、某外食チェーンの米を食うかどうか、某通販サイトを利用するかどうか…日常生活にも政治がつきまとう。鬱陶しい。俺は食いたいもんを食うぜ。
高校生のころ、鰻料理屋で2年間バイトしていた経験があるので鰻にはうるさい。埼玉は鰻の名店も多い。その俺からするとこの鰻重は、美味、しかし埼玉のあの店やこの店の方が俺の好み、というところ。タレにちょっと酸味が効いていたのが珍しくて面白かった…おっと、もう食レポはやめたほうがいい。
ほぼ野菜を食べていない一日だったので、コンビニに寄ってグリーンスムージーなどを買ってホテルに戻る。ベッドに横になってスマホをいじっていたら疲れていたらしく寝落ちしてしまった。この日の歩数10600歩。
2日目。5時起床。天気予報では一日曇り。雨の心配はなさそう。
シャワーを浴びてさっぱりする。ホテルの無料朝食を食べに食堂へ。
意識して野菜メニューを多めにとる。コーヒーを部屋に持ち帰れるサービスがありがたかった。
8時少し前チェックアウト。山形駅へ向かう。

途中で見かけたバス停。いい感じ。

山交ビルの威容に圧倒される。

駅前のコインロッカーに荷物を預け、身軽になって仙台行きの仙山線に乗車。

20分ほどで山寺駅に到着。乗客の半数くらいがここで降りた。

素敵な駅舎。

素敵なホテル。現在は営業していない。

目指す目的地の方向はわかっていないがみんなについていけば着くだろうという安易な気持ちで歩いていく。

目的地、立石寺に到着。松尾芭蕉が「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」を詠んだお寺。

ずんずん歩く。

まずはお参り。

芭蕉像。「猿を聞く人捨子に秋の風いかに」の句は日本文学の最高峰だと思う。
この先に登山口がある。入山料500円。
奥の院までは石段1015段の道のり。
靴は履き慣れたスニーカーで十分。暑い時期は念のため水分を持って行った方がいい。俺は水の入った小型のペットボトルを携帯していった。

せみ塚。

ここはベンチがあるので少し休める。ここまで来るだけでも結構心肺に負担がかかる道のり。無理せず自分のペースで、水分をとりながら進みましょう。

私は健脚なのでずんずん進みます。ブルーワークで毎日8000歩は歩いているので鍛えられている。もっとも、筋肉は裏切らないんですよ。裏切るのは関節です。

山門を潜る。

開山堂と納経堂。

写真の右側、先に続く石段が見える。そちらへ向かう。

こんな狭い通路を通った先に…

五大堂からの眺望。

だいぶ登った感があるが、標高415メートル。山寺駅周辺が標高約250メートルなので標高差は160メートル程度。断崖の上なので数字以上に高くまで来た気がする。ミンミンゼミの鳴き声が賑やか。5分かそこら誰も来ず、この場所を独占できたのはよかった。

さらに奥の院まで足を伸ばしたところ、団体のアジア系インバウンドに遭遇。昨日山形市内では見かけなかったので不意をつかれた。セミ以上に賑やかで、これじゃあ岩にしみ入るナントカ語だなあ…と内心で苦笑。

岩壁の中腹にあるのが釈迦堂。

さらっとすごいことが書いてある。

このお堂の中にいた…

この像の笑顔が怖かった。

というわけで下山。途中登り客とだいぶすれ違った。そろそろ人出が多くなる時間帯だったのだろう。早めに来て、人がいないうちに雰囲気を満喫できたので満足。やはり旅先では朝早い行動がよい。とくに休日。10時を過ぎるとどこも混む。

山寺駅到着が8:40で、戻ってきたのが9:50だから70分の滞在だった。所要2時間程度を見込んでいたがだいぶ短く済んだ。まあ繰り返すが俺は健脚なので。仙山線は1時間に1本程度の運行なので行く際は時刻表を確認したい。
10:13の電車に乗って山形駅へ戻る。車中で急に足がだるくなってくる。時間差で疲労がきたようだ。いくら健脚といってももうアラフィフ。関節と心肺が衰えている。いつまでも若いつもりでいちゃあだめよ。調子に乗ってるといきなりぶっ倒れて死ぬよ。駅のベンチに座って少し休憩。

エスパル内の三津屋で冷やし肉蕎麦を食べる。疲れた体に冷えた蕎麦がありがたい。セットで付いてきた揚げ餅が旨くて声が出そうになった。

帰りの新幹線は17時。まだだいぶ時間がある。旅先で、エアコンの効いた環境下で座って時間を潰すには映画館が一番。というわけでフォーラム山形へ。外壁塗装か何かやっている様子で入り口がわかりづらくて戸惑った。是枝監督の『ルックバック』を見る。藤本タツキは山形市にある東北芸術工科大学の出身で、映画の事件が起きるのもこの大学*3。ロケ地の映画館で地元の人たちに混ざって映画を見るってのも乙なもんでしょう。
www.city.yamagata-yamagata.lg.jp
映画の感想は、佳作、といったところでしょうか。是枝監督らしい、『海街diary』を思い出させる抒情的なショットの数々が素敵だった。一方で、アニメ版ですでに完成している感のあるこの作品を実写でわざわざやる理由は、俺にはちょっと見出せなかった。あと、出口夏希は顔がよすぎる。以上、そんなとこ。
映画館を出たあとはモスバーガーで一服。そのあと、駅へ戻り、くまざわ書店に寄り、お土産を買い、30分前には構内に入って新幹線の発車時刻まで待機した。この日の歩数15600歩。
当初の予定としては、山形県立博物館で縄文の女神と去年の国府多賀城以来の再会をしたり、どんどん焼きや芋煮を食べたいとも思っていたが、なかなか全部は難しい。あと一日あればレンタカーでかもすいに行くのもありだった。消化不良の感もあるが、ご当地交通系ICカードを買い、冷やしラーメンと冷やし蕎麦と鰻重を食い、立石寺に行き、ロケ地の映画館で映画も見られたので、初来訪の一泊二日旅行としては十分だろう。心残りはまた次来たときにすればいい。雨にほとんど降られなかったのは運がよかった。日頃の行いの賜物だ。

山形、いいところだったぜ。楽しかったぜ。また来るぜ。今度は米沢牛を食べてみたいな。
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