2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

悲しみの、嘆きの、怒りの、恨みの、声を聞け──スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『亜鉛の少年たち』を読んだ

亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版 作者:スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ 岩波書店 Amazon 1970年代末から1980年代末にかけて当時のソ連が行ったアフガニスタン侵攻について、兵士や看護師やその家族たちに行ったインタビューを「ドキュメンタ…

デジタル・ミニマリストに挫折し、新たに三井住友ゴールドNLの修行者となる

デジタル・ミニマリストの30日間チャレンジに1週間ともたず挫折した。 hayasinonakanozou.hatenablog.com 言い訳に過ぎないが自分の場合、Twitterは定期的に見た方がたぶん見ないより幸福度が増す。9月にちくま学芸文庫の復刊フェアがあるなんてTwitter見な…

俺の好きな要素いっぱいで最高──映画『NOPE/ノープ』感想

ジョーダン・ピール監督作品は『ゲット・アウト』も『アス』も見ている。前者は配信で、後者は劇場で。前者、B級感ありつつ話は面白く気持ち悪さもあり、後者はつまらない…というかアホらしかった。というわけでこの監督のファンというほどではないけれど『…

デジタル・ミニマリスト宣言

デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方 (ハヤカワ文庫NF) 作者:カル ニューポート 早川書房 Amazon 依存症とは、 有害な結果が生じるにもかかわらず、その報酬効果が強迫的誘因となって特定の物質の使用や行為を繰り返す状態 を指す。かつてはア…

今こそ偉大なロシア文学を──ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』を再読する

カラマーゾフの兄弟(上)(新潮文庫) 作者:ドストエフスキー 新潮社 Amazon 人生でもっとも影響を受けた本。通読するのはたぶんこれが3度目(20代、30代、そして40代で)。衝撃を受けたという点ではこれより先に読んだ『罪と罰』かもしれないが(読書中、…

松浦寿輝『半島』を15年ぶりに再読した

半島 (講談社文芸文庫) 作者:松浦寿輝 講談社 Amazon ブクログを見ると6月に読み終えている。なんとなく感想を書きそびれていたが記録として残しておきたく付箋を貼った箇所を読み返した。読んでいる最中とても楽しんだ記憶がある。15年前に読んだときは(単…

年金制度への誤解を解く一冊──大江英樹『知らないと損する年金の真実』を読んだ

知らないと損する年金の真実 - 2022年「新年金制度」対応 - (ワニブックスPLUS新書) 作者:大江 英樹 ワニブックス Amazon こないだ老後資金について考えた。とりあえず現時点の考えとしては、今の会社で65歳まで働く、年金受給は70歳まで繰り下げて増額して…

老後資産を試算してみた

iDeCoって制度がお得らしいとは知っていたが自分は勤務先の企業型DCに加入しているので加入対象外だった。なので調べずにいた。が、今年の10月から企業型DC加入者もiDeCoへの加入が可能になると楽天証券からのメールで知り興味を持った。MVNO契約、保険の見…

稲田豊史『映画を早送りで観る人たち』を読んだ

映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書) 作者:稲田 豊史 光文社 Amazon 年齢が若い人ほど倍速視聴をしている(経験している率が高い)、と去年はてブで初めて知った。本書の著者の記事だった。 gendai.me…

押井守『映画の正体 続編の法則』を読んだ

映画の正体 続編の法則 (立東舎) 作者:押井 守 立東舎 Amazon 押井監督が1年1本の縛りでチョイスした映画について語る『50年50本』の続編。今度は続編映画縛りで語る。 hayasinonakanozou.hatenablog.com 先に結論を書いてしまうと『50年50本』の面白さには…