冬がはじまるよ

すでに始まっているが。

 

実家に暮らしている。築40年の木造住宅。昨年の秋リフォームして二重窓にしたもののアルミサッシなので樹脂サッシほどの断熱効果はない。それでもリフォーム前に比べたらマシになっているのだろうがその頃は物置部屋だったので比較しようがない。リフォームを機に自宅内で引っ越し(移動)した。

 

去年の冬はだいぶ寒い思いをした。エアコンがなく石油ファンヒーターを使っていたので寝るときは消していた。だから時間経過とともに室温が下がっていく。Xを見ると今年1月下旬の早朝に室温5.4度の日があったようで、寒くて目が覚めたと投稿している。外気温と大差ないんじゃないか。寝巻はユニクロのスエット。つま先あたりが冷えてなかなか寝付けなかったのでグンゼの睡眠靴下というのを履いて寝ていた。

 

ベッドには電気毛布を敷き、かけ布団は羽毛布団と毛布1枚をその上に。この羽毛布団、10年以上前に一人暮らししていたとき池袋のビックカメラ内の生毛工房で買った。結構したような記憶があるが値段は覚えていない。これ1枚かければ冬は暖かく、夏は涼しく、重宝した。が、どうも去年の冬はその保温力が弱まっているような気がした。調べると羽毛布団の寿命は10年から20年らしい。買い替え時期と判断し、今月上旬、11月なのに気温25度超えがあった頃ニトリへ新しいのを買いに行った。ベッドが無印なので無印で買おうかとも思ったのだがネットで調べるとニトリのがいいらしいとあったのと、家からなら無印よりニトリの方が近いのと、値段の安さからニトリにした。参考にしたのは以下の記事。信じる信じないは自己責任。

 

nikkan-spa.jp

 

記事の最初に紹介されている29900円のやつを購入。安くはない。

一緒に布団カバーと枕カバーも購入

今年は新車買ってテレビ買ってエアコン買ってとだいぶ散財しているのにさらに羽毛布団まで。やばい。でもしゃあない、どれも生活に必要なものだし(テレビはそうでもないか)金は使うためにある。

 

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早速使用。結果的にははっきり言って期待したほどの保温力はなかった。というか10年ものの羽毛布団と変わらない。寝るとき普通に寒い。まだ電気毛布を出していないとはいえ11月でこれじゃ1月2月が思いやられる。誤算だった。10年もの、まだヘタってなかったか。それとも相当いい布団なのだろうか? しばし思案した挙句、羽毛布団を2枚重ねで使うことにした。毛布代わりのダブルかけ布団。幸い羽毛布団は軽いので2枚重ねても苦にならない。重い布団のほうが熟睡できるみたいな話があったような気がするがどうなんだろう。俺は重い布団は嫌である。

 

2枚重ねるとマシになった。室温次第では暑くなる。なので今年の冬はこれで乗り切ろうと思う。しかし羽毛布団って布団カバーの中で片寄るのストレスだな。羽根布団みたく綺麗にザ・かけ布団なフォルムになってくれない。それが2枚なのでイライラ。四隅固定できるんだっけか。

 

布団については以上。以下は余談。

ニトリに行ったら入ってすぐの場所でクリスマス用品が棚一列に陳列されていた。リースとか、卓上ツリーとか、ぬいぐるみとかそういうの。買わなかったがしばし棚の前に立ち手にとって見ていた。

我が家は、べつに金がないというわけでもなかったが(裕福でもなかったが)両親が昔気質というか、世の中について疎いというか、とにかくイベントに不熱心な家庭だった。俺は11月の中旬生まれで、クリスマスまで1ヶ月以上あいだがあるのに、クリスマスは「このあいだ誕生日やったばかりでしょ」との理由でプレゼントはしょぼいもの、漫画1冊とかしか貰えなかったし、鶏は近所にあった焼き鳥屋でチキンというよりは鶏肉という感じのを買ってきて、ケーキはカットのを出してくれた気がするが、ツリーを飾るなんてもちろんなく、だから小学校の同級生がクリスマスにはツリーを飾り、ケンタッキーでパックを買い、ホールケーキを食べ、朝になると枕元にゲームソフトだかラジコンだかゾイドだかエアガンだか忘れたが、そんな豪華なプレゼントが置かれているというのを聞いたときには、俺もサンタとトナカイだとか靴下とプレゼントだとか、もちろん知識としては知っていたけれど、それはメルヘンのようなフィクションだと思い込んでいたので、実際に絵に描いたようなクリスマスを過ごしている家庭があると知って驚いたものだった。相手は相手で俺の話に驚いていたが。味噌汁の具に何が入っているか? という話題と同じく、クリスマスの過ごし方も、各家庭それぞれが一つの独立した小世界を形成しているものだ、と思わせる話題だった。また、立ち並んだ何の変哲もないような家々にもドア1枚隔てた向こうには俺が想像もつかない世界が広がっているんじゃないか、そういう目に見えるものの奥に隠されたもの(隠されているかもしれないもの)へ興味を抱くきっかけになったような気もする。

 

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ニトリでクリスマス製品を手に取りながら、こういう期間限定イベントって経済的および精神的余裕がないと楽しめないよな、と考えた。金がなければプレ期間含め1ヶ月で終わってしまうイベントのためにわざわざグッズを買って飾ろう、使おう、なんて無駄なことはできないし*1、遊び心なく経済合理性だけで考えれば短期間で終わってしまうことのためにやはり金を使おうとはならない。映画『コラテラル』だったか、登場人物が入院している母親へ見舞いに花を持っていったら、こんなものに使うなんて金がもったいない、と怒鳴られるシーンがあったような気がするが、金も遊び心もなければそれが自然な対応に思える。俺もどっちかというとそっち側の人間で、自分の好きなことには多少の金を突っ込んで平気だが興味ないことには1円だって使いたくないタイプである。自分の誕生日も興味ないことに含まれる。

 

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女の人とは交際してもう10年以上になる。この人は俺とは正反対にイベントを楽しむタイプで、一緒に過ごすうちにいろいろ教えられることが多かった。クリスマスも、さすがにツリーを飾りはしなかったが、ケンタッキーでパックを買って、通販でブッシュドノエルを買って、お互いプレゼント交換して…ということをこの人と初めてした。その頃には30歳を過ぎていたが、自分が世間の当たり前をやっていることがくすぐったかったのを覚えている。交際期間が長くなるにつれ、また世の中からクリスマスが存在感をなくしていくにつれ、そういうベタなことはやらなくなっていったが。今はクリスマス当日は老親と三人でスーパーで買ったケーキを食べ(チキンは食べない)、女の人とは週末に会って「メリクリ〜」と挨拶したのちやはりスーパーでケーキを買って(チキンは食べない)、プレゼントを送る代わりに一緒に買い物に行く、みたいな感じに落ち着いた。チキンを食べないのは普段からわりとケンタッキーに行くのでクリスマスまでわざわざ、という気持ちがあるため。

 

世の中のクリスマスに対する捉え方も時代とともに変化した。俺が十代の頃はクリスマスは恋人同士で過ごすものだった。これはバブル期に作られたイメージだろう。山下達郎赤プリティファニーのなんとか…俺より少し年上がモロこの世代のはず。00年代、インターネットが普及してオタクたちが二次元嫁とケーキを食べている写真が2ちゃんねるに投稿されるのを風物詩のように眺めて笑っていた。今となっては懐かしい、非モテ的な文脈だったか(本田透って今どうしてるんだろう?)。10年代くらいからクリスマスは恋人より家族で過ごすものって感じになっていった。あるいは11年に起きた震災で家族とか絆とか散々言いまくった影響でそうなったのかもしれない(全然違うかもしれない)。まあでも時を追うごとに恋愛至上主義的なものは確実に弱まっていると46歳の中年として感じる。これはいいことだと思う。昔はあまりにも恋愛を重視し過ぎていた。娯楽が少なかったせいだろう。

 

 

*1:ツリーはしまっておけば何年も使えるものだろうが