映画『オールド』を見た

日曜とはいえ結構客の入りがよかった。70人くらい? シャマラン作品って人気あるんだ。自分は『ヴィジット』に感動したクチである。でもそのあと見た『ヴィレッジ』が退屈過ぎて、続けてシャマラン映画を見る気がなくなってしまった。『サイン』、あらすじを読む限りでは面白そうだけどどうなんだろう。『ヴィジット』の感動がなかったら『オールド』も見ようとは思わなかった。予告を見る限り惹かれるものがあまりなかったから。

 

冒頭、監督の挨拶があってテンション上がった。ストーリーについてはネタバレになるので詳細は書かないが、あまり怖さはない。設定も展開もガバガバで、SFというかファンタジーというか、『ヴィジット』のようなリアリティはない(それは予告の時点で予想できていた)。調べたら原作があるのだとか。時間とともに一人また一人と死んでいくが、不快感を煽るような変な死に方をする人がいるのは残念ポイント。心臓外科医が一番気味悪かった。彼が気にしていた映画って『ミズーリ・ブレイク』ってやつか? 検索したらそれっぽいがなぜこの映画を気にしていたのだろう。老化や死の恐怖に怯える人がいる一方で、それを自然のこととして受け入れ、感情を超越して理想的な死を迎える男女がいる。彼らが死ぬ夜の浜辺のシーンはすごいよかった。砂の城が波にさらわれやがて崩れていくように、徐々に崩れていく人間の意識と身体。

 

わりと早い段階で秘密のビーチが何者かに管理されているらしいことが明らかになる。でもその理由も管理者の素性も終盤までわからない。昨今のコロナウイルスワクチン開発に対するブラックユーモアと自分は受け取ったがどうだろうか。『ヴィレッジ』みたいな投げっぱなしではなく、きちんと物語にケリをつけて終わったのは意外だった。序盤の歌とか、名前と職業を覚える特技とか、きちんとその後回収されたのでスッキリした。ただ何もかもスッキリし過ぎているから却ってインパクトに欠けたようにも思える。今回はガッツリ監督が映っていて可笑しかった。成長した男の子が『ヘレディタリー/継承』の人だとはわかったが、女の子が『ジョジョ・ラビット』の人だったとは見ている最中は気付かなかった。中年になって海外の若い俳優の顔と名前が覚えられなくなっている。