中年になって実感している、精神科医中井久夫の言葉がある。
人生前半の課題は挑戦であり、後半の課題は別離であるというテーゼがある。おそらく正しいだろう。それは所有していたものとの別離だけではない。所有しなかったもの、たとえば若い時に果たせなかったことへの悔恨からどう別離するかということもある。もはや果たすことはないであろう多くのことへの別離である。
「世に棲む老い人」
48歳になった。立派な中年だ。そして、人生100年時代というが、健康寿命を80歳と考えると、すでに人生を折り返したと言っていいだろう。人生、とっくに後半戦。そしてこの後半戦はいかにうまく下り坂を下りていくかがキモになる。
今週のお題「今年読んでよかったブログ」
はてなブックマークに登録したエントリで「ブログ」と検索したら、中年以降の人生について教えられるものがヒットした。先輩方の貴重な意見や体験。活かしたい。
- 人生は、中年を過ぎていくあたりから: 極東ブログ
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- 40代のうちにやっておいてよかったこと - Really Saying Something
人生は、中年を過ぎていくあたりから: 極東ブログ
中年を過ぎると徐々に意識される死について。身体に不調があればなおさら。人体は基本的にはパーツ交換の不可能な機械。修理できなくはないけれど完全復旧は歳をとるほど難しくなる。壊れる前のメンテナンスが重要。
前半、死の予感について述べられていたのが後半は読書論になる。『カラマーゾフの兄弟』がロシアの大河に、『失われた時を求めて』が古代の迷宮に、『源氏物語』が絵巻物にたとえられる。「トルコの絨毯売の口上のように一人の少女が青春をかけて織り上げたもののようだ」の一文は美しい。死の予感が、いつか読もうと思っていた本(本に限らず後回しにしていた「死ぬまでにやりたいことリスト」の何か)へ向かわせることはある。父親の病いが発覚したのがきっかけになって俺は10年積んでいたプルーストを読み始めた。
hayasinonakanozou.hatenablog.com
もう本当に衝撃…「あの」荒俣宏氏が「あの」蔵書2万冊を処分。半分は『産業廃棄物』扱い…一戸建てからマンションに。もちろん「終活」【記録する者たち】 - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-
荒俣さんが引っ越しを機に人生を通じて収集してきた2万冊の蔵書のうち500冊を残して処分したという話題。終活だ。電子書籍って紙の本のよさがすべて置き換えられるわけじゃなく、内容(データ)の扱いや所有・管理が便利になるのがせいぜいで(それでもすごいことだけど)紙の本の下位互換だと俺は思ってる。Rakuten TVで購入した動画が視聴できなくなるってニュースが少し前にあったけど、デジタルデータってプラットフォーム側の都合で消えたり利用できなくなったりするリスクが常にあるから本当に気に入ってるものは物理媒体で所有しておきたい。でも本=紙の束って重いし場所をとるし、増やしすぎるのも考えもの。蔵書一代、所有者が死ねばゴミでしかない。あとに残された人*1のことを思うと体が動くうちに整理処分すべきなんだろう。
80年代、90年代のかつての「知の世界のヒーロー」たちが引退していくのを見るのは寂しいと書かれている。わかる。自分も、子供の頃や若い頃、第一線で活躍していた芸能人やアスリートが病気になったとか亡くなったとかってニュースを見るとがっくりしてしまう。勝手な願望を押し付けるようで申し訳ないんだけど、たとえばシュワちゃんにはいつまでもムキムキでいてほしいとか思ってしまう。
40代のうちにやっておいてよかったこと - Really Saying Something
一覧化されていてすごくわかりやすい。参考になる。
心身のメンタルに関する箇所に共感する。「丈夫な胃腸を持っているが「もうあんまり食べてはいけない」と思うに至った」「気分の上下の幅が狭くなり生きやすくなったと思う」。
服装に関して変な縛りがなくなったのは俺も同じなんだけど、「変な色とか柄とかのものを着てもいいんじゃないかと思っている」って方向じゃなくて、ジャージとかスエットが、楽だし布地的に着心地よくて、もうずっとこれでいいじゃんってなってしまった。パーカー、全然着ますね。なんなら若い頃より着てるかも。パーカーおじ。俺、若干首が長いのでフード付いてる服の方が「しまって見える」んですよね。中年男が何着ようが誰も見てないだろうけど、だとしても自分がいいと思う服を着るのはメンタル的によいことだと思う。
そして「終活らしきものも始めた」。俺も日々、定期的に整理を行い、不要な物は処分するようにしている。
hayasinonakanozou.hatenablog.com
35歳になったとき、えらく自分が老けた気がしたけど、48歳の今振り返るとめちゃくちゃ若くて何でもできる年齢だったな、と思う。60歳になったとき48歳を振り返ったら、また同じように思うかもしれない。だからもうおっさんだと自覚はしつつも、年齢を理由にやりたいことを諦めたり生きることに投げやりになったりはすべきじゃないと思う。希望を持って中年以降の人生をやっていきたい。
50代になってみると40代が一番動けたなと思う。
— a2see@VNOSバーチャルCEO (@a2see) 2025年9月19日
衰えはあるけどそれを補う経験とか知見がそれ以上にあるので、トータルの出力は人生で一番出てた気がする。
ちなみに50代はどういう感じかというと、40代のときの最速ラップタイムを出した自分のゴーストが常に目の前を走っていて、それに追いついてゆくのに必死という感じです。これが50代前半、というか序盤。
— a2see@VNOSバーチャルCEO (@a2see) 2025年9月19日
この先たぶんどこかでゴーストの幻影を振り払うんだとは思ってる。 https://t.co/NOYMH5CnWP
沁みる。
*1:俺にはいないけど
