年末年始の休暇はゲームをやって過ごしたい気分だった。ゲーム機はSwitchしか持っていない。『ホロウナイト』を達成率MAXになるまで遊び尽くした自分、同じメトロイドヴァニアで何かいいのないかとググったら『ENDER LILIES』が評判よく、トレーラーを見ると自分好みの退廃的な雰囲気だったので購入。二時間くらいプレイしたが動作がもっさりしているのと、キャラの当たり判定がイマイチ掴めず、スタンドみたいな特殊能力も種類は多いけれど攻略に役立つワクワク感がなく、棍棒を振り回すボスを倒したところで飽きてよしてしまった。で、メトロイドヴァニアがやりたいなら本家本元である『メトロイド』をやればいいのでは、ちょうど新作が出たばかりだし、と思い『メトロイド ドレッド』のダウンロード版を衝動買い。アマゾンだと定価より少し安くて6800円くらいだった。『メトロイド』をプレイするのは初めて。初代のプレイ動画を有野課長の番組で見たことがあるだけの超初心者。
冒頭、ストーリーの説明がムービーとともに流れ、金かけてんなあと感心。もともとゲームをやる方でもなく、ここ一年くらいはメジャーなソフトは買っていなかったので感覚が古い(ロマサガ3とサガフロを買ったものの放棄してしまっている)。『ドレッド』は伝統的な2Dの横スクロールアクション。昭和の初代ファミコン世代にとってはスタンダードなデザインのザ・テレビゲームという印象。エリア内のステージはシームレスにつながっており移動はスムーズ。主人公サムスのアクションはどれも早く、操作のレスポンスもよく、動かしているだけで気持ちいい。スライディングや2段ジャンプはかっこいい。カウンターが決まると敵を一撃で倒せてさらに報酬が増えるシステムは楽しい。各ボスはどれも強く初見では倒せなかった。後半になると何もしてないうちに瞬殺されることも。でもどのボスも攻撃の前に予備動作があったり、攻撃のあと隙が生じたり、決して理不尽な難易度になっていない。初見で瞬殺されたラスボスも一時間もコンティニューしていると余裕で倒せるようになった。なんならノーダメでもいける。プレイが上達した実感が得られるのがアクションゲームの醍醐味だろう。
途中で攻略サイトや攻略動画のお世話になった。とくに終盤のボス戦で助けられた。慣れてしまえばなんてことないのだが最初はなんで死んだかわからないくらいのラッシュを食らっていたので。一度目のクリアタイムは11時間。アクションが下手な自分は途中何度も、多分100回以上死んでいるので、実際のプレイ時間はもっと長い。ボスよりも終盤のE.M.M.I.に何度もやられた。もしかするとE.M.M.I.だけで100回は死んでいるかもしれない。
終盤の紫E.M.M.I.とそのゾーンの構造にムカついたくらいで(あれはもはや恐怖ではなくストレスでしかなかった)あとは詰まることはなく、動画を見て「こんなのできねえ…」と諦めることもなく、死にながら覚えて、三日でクリアできた。ボリューム的にこのくらいがちょうどいい…いやこれでも少し長いかも。ノーマルモードでクリアすると、被ダメージが倍増するハードモードが解放されたのですぐにそちらもプレイして今度は7時間でクリア。年越しの瞬間は『メトロイド ドレッド』だった。サムスの軽快で機敏な動作、快適な操作性、徐々にパワーアップしていく楽しさ(グラビティスーツを入手したときは興奮度最高潮)、E.M.M.Iという恐怖(戦うとき動悸がやばかった)、アクションに凝ったボス戦など、自分はゲームをあまりしない人間だけれどめちゃくちゃ楽しめた。『ゼルダの伝説』をやったことなかったのに『ブレス・オブ・ザ・ワイルド』にハマりまくったように、『メトロイド』をやったことなかったのにこの『ドレッド』にどハマりした。自分が一番ゲームをやっていたのは十代の頃で、その頃はスクウェアの全盛期だったのもあり、SFCや初代PSのRPGばかりをやっていた。ドラクエとかFFとかロマサガとかクロノトリガーとか。アクションってほとんどやったことなかった。がっつりアクションをやるようになったのってSwitch買ってブレワイにハマって以降、それこそ四十歳になってからだと思う。ブレワイは、アクションゲームって面白え、と気づかせてくれたゲームでもあった。そのあとビジュアルが自分の好みにどストライクな『ホロウナイト』をやって、死んで死んで死にまくって(何百回も)、それでも真エンドを見られる程度にまでは上達した。このゲームにはサントラを買うくらいハマった。『ホロウナイト』の難易度に慣れてしまったので『ドレッド』で何回死のうが理不尽さは感じなかった。何回も死んでなおスムーズなゲームだなあ、開発した人たちすげえなあと感心していた。紫のE.M.M.I.を除いては。
自分が感じたこのゲームの欠点は紫E.M.M.I.(以下で述べる)と連続ジャンプのスティック判定、エリア間を移動するのにロード時間が長いことくらい。連続ジャンプのスティック判定が厳しいのかスティックを倒しているのにその方向を向いてくれないことがたびたびあってストレスだった。ラスボス戦で壁際から連続ジャンプで脱出しようとしているのにできなくてはまってしまいゲームオーバーになったことも。
以下、自分が苦戦した、それだけに思い出深い敵キャラについて。
・紫E.M.M.I.
なんと言ってもまずこいつ。こいつの出現ゾーンは水場が多くこっちはもっさりしか動けないのに壁を貫通するソナーを持ってすぐ検知して追いかけてくるのはずるい。ゾーンの構造的にこちらが入ってすぐの場所をうろうろしていることが多いのもムカついた。発見される前提でフラッシュシフトやスペースジャンプで逃げるしか対応策はないのかもしれない。ファントムクロークで透明になって逃げ切ろうとしてもちょうどジャンプするポイントに浮いている小さい敵が邪魔したり、前述したが水場も多いし、E.M.M.I.もゾーンも両方とも凶悪。こいつに何回殺されたか。それだけに倒したときは嬉しかった。
・クレイド
第一形態のツメ飛ばしが早くてムカついた。ミサイルで対応。第二形態の腹から出る玉が、時々チャージビームの隙間をすり抜けて食らうのもムカついた。カウンターのタイミングがわからなくて30回はやり直した。こいつを倒したときのムービーがかっこいい。
・実験体Z-57号(ハードモード)
ハードモードだと被ダメージが倍になる。第二形態移行寸前の四箇所の砲台? をミサイルで破壊するのが遅れるとこっちの体力が満タンでも一瞬で死ぬ。ノーマルモードでも30回は死んだがハードモードでも慣れているはずなのに同じくらいやられた。こいつにカウンターしたときのムービーもかっこいい。ミサイル撃ちまくり。
・鳥人兵士(盾)
第一形態は余裕。イカスミみたいなのと、ジャンプして突き刺してくるののダメージがでかく、動きも機敏で、単純な力比べで及ばず負けまくった。20回くらい。
・黒くて小さい群体(ハードモード)
黒い怪獣が口から吐くやつら。ビームで倒しきれなかったのが高速でまとわりついてきてハードモードだとすぐ死ぬ。水中エリアだったか、通路の先にこいつらがいて死にまくったことがあった。ビームではなくミサイルでまとめて対処。
エリアでは深海っぽいバルエニアが怖くて綺麗でプレイしていて楽しかった。深海はいい。
あと、ゲームに疎いからなのだろうが、狭い箇所や敵に接近するとカメラ? が寄ったり、ムービーからアクションにシームレスに移動したり(ボス戦とか)、ムービー中なのに操作できる(ボス戦のカウンターやラストのイベントバトルとか)に技術の進歩すげえなあと感心した。サムスは女性だが本編中ほとんどそうと意識させる場面はなく、萌え(古い?)的な方向にいかないのも硬派で好印象。ストーリーは十分に理解できたとはいえないので、情報を求めて公式サイトへ行ったら過去作のストーリーやキャラクターの略歴など充実していて読んで面白かった。今はアイテム回収率100パーセントを目指してノーマルモードで3回目のプレイ中。ボス戦が近くなるとエリアの背景にさりげなくボスが登場している演出に3回目のプレイで気づいた。凝っている。