『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』を見た

 

ポスターに10.16公開とある。ちょうど公開から1ヶ月となる11月16日、TOHOシネマズ日本橋にて鑑賞。平日昼過ぎの回だったが50人くらい入っていた。奮発してプレミアムボックスシートを選択。通常席より広いレザーシート、左側に荷物置きスペース付き、左右両側にパーテーションありで料金は鑑賞料金に1000円プラス。このシート、席そのもののスペースは広いが前後の空間は通常席と変わらないため、運が悪いとせっかくのプレミアムシートなのに後ろから蹴られるリスクがある。以前六本木のTOHOシネマズで利用したとき真後ろの人の足が何度か当たってちょっと不快な思いをした。座席を蹴られると映画への没入が強制的に妨げられるので本当勘弁してほしい。コロナ禍の現在、TOHOシネマズ日本橋は平日一席空け販売のため今回は前後に人がおらず快適な環境で見られた。

 

鬼滅の刃』は少し前に一度アマプラで最初の何話かを見たが途中で飽きて止めてしまった。修行がだるかった。劇場版が大ヒットして、今年の話題作として一度見ておきたくなり、予習としてもう一度アマプラで最初から見た。やはり修行シーンはだるかった。最終選別はまあまあだったが、その後の初めての鬼退治も特別面白くはなく。仲間が三人揃ってから俄然面白くなった。アニメしか見ていないので偉そうに言えないが、『鬼滅』の魅力は個性が豊かすぎるキャラクターたちにあると思っている。皆それぞれにクセが強く、だから面白い。声優が豪華なのもいい。胡蝶しのぶと甘露寺蜜璃、どちらの声も口調も大好き。

 

無限列車編はアニメ26話の続き。鬼の仕掛けた罠により幸福な夢の中へ落ちていく炭治郎たち。しかしそこに居続けることはできない。覚醒後、下弦の壱と対峙。何度も何度も敵の術で昏倒しながら、その都度自傷して覚醒するバトルは熱い。家族に罵倒され、呪詛される悪夢から覚めた後で、自分の家族があんなことを言うわけがない、侮辱するなと叫ぶシーンは感動的だった。ここが自分にとってこの映画のピーク。唐突に参戦してきた上弦の参と煉獄の戦いは、さすがヘブンズフィールのセイバーオルタ対ライダーのバトルシーンを描いたufotable、手に汗握る迫力あるものだったが、高速チャンバラの合間合間に間延びするような炎の技のエフェクトはアンバランスで、テンポが悪く感じた。煉獄が目を潰されるシーンも淡白で物足りなかった。あのシーンは、鬼の攻撃がかすっただけで人間は重傷を負うという意味では相応しかったのかもしれないが。

 

最初から最後まで退屈せずに楽しく見られる映画であるのは間違いない。しかしちょっと残念だったのが、上弦の参からの鬼への勧誘を断って人間の尊厳を煉獄が説くシーンと、「煉獄さんは負けてない」と炭治郎が叫ぶシーン。どちらのシーンも言葉で説明しすぎ。特に後者は、確かに炭治郎の言っていることは全て本当のことで、戦いの結果を観客に納得させる内容なのだけれど、あれは逃亡した敵へではなく、呟きとか、煉獄への声かけでもよかった気がする。

 

炭治郎の幸福な夢や煉獄が幻視する母親が象徴する家族の絆。挫折を乗り越えて成長する少年たち。家族愛と成長が無限列車編のテーマだろうか。中ボスを撃破して喜んだ後の敗北という展開なので仕方ないことだが、見終わった後のカタルシスはいまいち。展開的には、窮地で炭治郎が新技を体得し、禰豆子が血鬼術に覚醒する那田蜘蛛山の戦いの方が熱かったように思う。

 

 

hayasinonakanozou.hatenablog.com

ufotableのアニメはテレビ放映でも劇場版のようなクオリティがあって凄い。