映画『マトリックス レザレクションズ』を見た&2021年に見た映画まとめ

年内で映画館で見るのはこれがラスト。公開二週目の日曜レイトショーで観客10人くらい。もう『マトリックス』がどういう話だったのか詳細はほとんど覚えていない。三部作すべて劇場へ見に行っているのだが…。

 

前半はかなり面白い。メタ的に過去の三部作を振り返る。本作の世界ではトーマスは大手ゲーム会社に勤務するゲームデザイナーで、マトリックスは彼が開発した。今は新たな作品を制作している。これが現実の人生、のはずだった。しかし時々彼は違和感を覚える。本当に今いる世界は現実なのか、マトリックスという世界はフィクションだったのか。もしかしたら逆なのでは? 現実感覚の欠如からかつて彼は自殺未遂をし、今も精神科医のセラピーを受けている。

 

やがてレッドピルとブルーピルが出てきてトーマスは再び選択を迫られる。平和な眠りか恐ろしい覚醒か。そのあとは過去作と同じマトリックス的世界が展開する。トーマスたちとアナリストとスミスが三つ巴で各々の思惑を実現しようとした…でいいのかな。ストーリーはよくわからんかった。囚われた人々に自由を。でも人類の中には自由など望んでおらず、進んで服従する羊のような者たちもいる。彼らには自由が重すぎるのだ。安心が得られるのなら服従する方がいいと彼らは考えている。前半のメタ的あるいはセルフパロティ的な展開といい、本作は過去作に対する批評的な面が強い。『マトリックス』の続編をワーナーブラザーズが制作している云々会社のミーティングで話していたり、登場人物の一人が「スピンオフで会おう」と発言したり。後者はさすがに悪ノリし過ぎと思ったが。

 

マトリックス』に期待するのはアクション。後半のバイクのシーンは迫力満点でよかった。ネオが向かってくる車を回避して衝突させるところは映画館のスクリーン、音響で見てこそだろう。一方で格闘シーンはカメラが近すぎて何をやっているのかわかりづらかった。この何やってるかよくわからないってアクションシーンとしては致命的だと思う。

 

今の人生は現実か仮想か、という無印にもあったマトリックスのテーマは本作でより明快かつ深化して表現されている。退屈な日常の反復、その中でときに感じる違和感は現実の綻びなのかもしれない…という怖さ。映像的には無印にあった新しさはなかった。新しい仲間(CGの)はかわいくてよかったが。へんてこな新幹線とCG感丸出しの桜の描写に、未だにステレオタイプなジャパン描写かよと興醒め。80年代から進歩しねえなあ。

 

『シンエヴァ』と同じく同窓会的な映画としては悪くない出来で、前半と、アクションのシーンはとても楽しく鑑賞できた。でも過去作を見ていないと面白くないと思うので、そういう意味でも『シンエヴァ』とよく似ている。

 

 

 

今年は35本の映画を鑑賞した。うち2本は配信で。旧作も2本(『隠し砦の三悪人』と『GHOST IN THE SHELL』)。とくによかった映画は以下。見た順に、『プラットフォーム』『すばらしき世界』『あのこは貴族』『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『ドライブ・マイ・カー』『孤狼の血LEVEL2』『東京自転車節』『空白』『パーフェクト・ケア』『マトリックス レザレクションズ』。エヴァは面白かったというより無事終わったことを寿ぎたい気持ちの方が強いかもしれない。それぞれいい映画ばかりだが今年のベストを挙げるとすれば『あのこは貴族』と『ドライブ・マイ・カー』の2本。どちらも甲乙つけがたい。今年は邦画が充実していた一年だった。『茜色に焼かれる』のような怪作も見られて面白かった。『ジャンクヘッド』の上映を逃してしまったのだけ悔やまれる。まだ配信来てないみたいだし。

 

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