2022-01-01から1年間の記事一覧

デジタル・ミニマリストに挫折し、新たに三井住友ゴールドNLの修行者となる

デジタル・ミニマリストの30日間チャレンジに1週間ともたず挫折した。 hayasinonakanozou.hatenablog.com 言い訳に過ぎないが自分の場合、Twitterは定期的に見た方がたぶん見ないより幸福度が増す。9月にちくま学芸文庫の復刊フェアがあるなんてTwitter見な…

俺の好きな要素いっぱいで最高──映画『NOPE/ノープ』感想

ジョーダン・ピール監督作品は『ゲット・アウト』も『アス』も見ている。前者は配信で、後者は劇場で。前者、B級感ありつつ話は面白く気持ち悪さもあり、後者はつまらない…というかアホらしかった。というわけでこの監督のファンというほどではないけれど『…

デジタル・ミニマリスト宣言

デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方 (ハヤカワ文庫NF) 作者:カル ニューポート 早川書房 Amazon 依存症とは、 有害な結果が生じるにもかかわらず、その報酬効果が強迫的誘因となって特定の物質の使用や行為を繰り返す状態 を指す。かつてはア…

今こそ偉大なロシア文学を──ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』を再読する

カラマーゾフの兄弟(上)(新潮文庫) 作者:ドストエフスキー 新潮社 Amazon 人生でもっとも影響を受けた本。通読するのはたぶんこれが3度目(20代、30代、そして40代で)。衝撃を受けたという点ではこれより先に読んだ『罪と罰』かもしれないが(読書中、…

松浦寿輝『半島』を15年ぶりに再読した

半島 (講談社文芸文庫) 作者:松浦寿輝 講談社 Amazon ブクログを見ると6月に読み終えている。なんとなく感想を書きそびれていたが記録として残しておきたく付箋を貼った箇所を読み返した。読んでいる最中とても楽しんだ記憶がある。15年前に読んだときは(単…

年金制度への誤解を解く一冊──大江英樹『知らないと損する年金の真実』を読んだ

知らないと損する年金の真実 - 2022年「新年金制度」対応 - (ワニブックスPLUS新書) 作者:大江 英樹 ワニブックス Amazon こないだ老後資金について考えた。とりあえず現時点の考えとしては、今の会社で65歳まで働く、年金受給は70歳まで繰り下げて増額して…

老後資産を試算してみた

iDeCoって制度がお得らしいとは知っていたが自分は勤務先の企業型DCに加入しているので加入対象外だった。なので調べずにいた。が、今年の10月から企業型DC加入者もiDeCoへの加入が可能になると楽天証券からのメールで知り興味を持った。MVNO契約、保険の見…

稲田豊史『映画を早送りで観る人たち』を読んだ

映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書) 作者:稲田 豊史 光文社 Amazon 年齢が若い人ほど倍速視聴をしている(経験している率が高い)、と去年はてブで初めて知った。本書の著者の記事だった。 gendai.me…

押井守『映画の正体 続編の法則』を読んだ

映画の正体 続編の法則 (立東舎) 作者:押井 守 立東舎 Amazon 押井監督が1年1本の縛りでチョイスした映画について語る『50年50本』の続編。今度は続編映画縛りで語る。 hayasinonakanozou.hatenablog.com 先に結論を書いてしまうと『50年50本』の面白さには…

映画『女神の継承』を見た

上映館が少ない。当初はグランドシネマサンシャイン池袋で見るつもりでいた。が、先週あたりから都内の(都内ばかりじゃなく全国規模でだが)新型コロナ感染者数が激増しているなか、見にいく予定の日曜日は午後からの上映しかなく、館内が混雑するのが予想…

高尾山6号路で初めて山歩きの楽しさを知る

昨年の2月にふと思い立って高尾山を登ったのが山歩きをはじめるきっかけになった(実際に始めるまでに期間はだいぶ空いたが)。といってもまだ日和田山と榛名富士という低山に行ったきりだが。山の中をえんえんと歩くのはどうも飽きる。高尾山は複数のルート…

映画『セルビアン・フィルム 4Kリマスター』を見てきた

シネマート新宿で。コロナ禍が本格化する前の2020年の2月にポン・ジュノ監督『殺人の追憶』を見に来て以来。ロビーはポスターとかラッピングとか賑やかで楽しいし、シアター1は箱が大きくて見やすく、居心地のいい映画館。 土曜日20:35からの回、15分前くら…

映画『神々の山嶺』と『モガディシュ 脱出までの14日間』感想

『神々の山嶺』 日曜夕方の回で15人くらい。偶然かもしれないが半数以上が女性客だった。この映画、フランス製作ということは知っていたが内容は全然知らずに見に行った。期待していなかったのだが案に相違してとても素晴らしく、感動。主人公の羽生は山に取…

朝には『呪詛』を、夜には『X』を

7月は面白そうなホラー映画の公開が多い。『ブラック・フォン』は楽しみにしていたのにいまいちだったが、『X』『セルビアン・フィルム4K』『女神の継承』あとNetflixで『呪詛』。都合が合えばどれも見に行きたいと思っている。 hayasinonakanozou.hatenablo…

アーサー・マッケン『恐怖』『夢の丘』を読んだ

恐怖 (創元推理文庫 F マ 1-3) 作者:アーサー・マッケン 東京創元社 Amazon 夢の丘 (創元推理文庫) 作者:アーサー・マッケン 東京創元社 Amazon 『夢の丘』以外のマッケン作品は読んだことがなかった。『夢の丘』が文庫で復刊されたので短篇集『恐怖』と併せ…

榛名富士を登り榛名神社へお参りしてきた

女の人の誕生日だったのでちょっと遠出でもするか、と高崎へ行ってきた。埼玉から群馬に入ってすぐなのでそこまで遠くはないのだが。彼女は御朱印集めが趣味なので何度か榛名神社へは行ったことがあったがすぐそばにも関わらず榛名湖、榛名富士へは行ったこ…

スマホ通信障害のなか、映画『ブラック・フォン』を見てきた

現在もアンテナが立ってない 前置きから。 昼頃、髪を切ろうと美容室に電話したところつながらず、妙に思いiPhoneの画面を見るとアンテナが一本も立っていない。機内モードに切り替えてすぐに戻す所作をしたものの改善せず、再起動。これまでも何らかの原因…

映画『ベイビー・ブローカー』感想

序盤、最初の客と港だか市場だかで会い、赤ん坊の容姿にあれこれイチャモンつけてくる彼らに対して母親が啖呵切るあたりまでは先の展開が想像つかず面白かった。しかし進むにつれ既視感のある話に。そもそも、韓国では赤ん坊をあんな簡単に買えるのか? 最後…

小松和彦『神隠しと日本人』を読んだ

神隠しと日本人 (角川ソフィア文庫) 作者:小松 和彦 KADOKAWA Amazon 私たちの日常生活のなかで「神隠し」という語があまり用いられなくなってからかなりになる。いつの頃からかは地域差があって一概にはいえないが、およそのところをいえば、都市化の波が急…

IMAXで2回目の『トップガン マーヴェリック』を見てきた

IMAXで2回目に行ってきた。レイトショーだったが観客は50人以上100人未満といったところで公開週を考えると多く感じた。 hayasinonakanozou.hatenablog.com 展開はわかっているから落ち着いて見られるだろう、と思っていたが、冒頭、爆音のアフターバーナー…

腰痛体験記を二冊読む──高野秀行『腰痛探検家』と夏樹静子『腰痛放浪記 椅子がこわい』

腰痛探検家 (集英社文庫) 作者:高野秀行 集英社 Amazon 腰痛放浪記 椅子がこわい (新潮文庫) 作者:静子, 夏樹 新潮社 Amazon 作家二名の腰痛体験記。どちらも年単位の長患い。自分は幸いにも腰痛になったことはないが両方の肩が四十肩になって2年苦しんだの…

俺もブログもいつか消える──古田雄介『ネットで故人の声を聴け』を読んだ

ネットで故人の声を聴け 死にゆく人々の本音 (光文社新書) 作者:古田雄介 光文社 Amazon 個人が気軽に自分の情報をネット上に発信できるようになってすでに四半世紀が経過した。この間、日本国内だけでも3000万人近い人たちが亡くなっているという。このうち…

国立西洋美術館で「自然と人のダイアローグ」展を見てきた

一年半ほどリニューアルのため休館していた国立西洋美術館が再開されて初の企画展。あまり話題になっている感じはないが世間的にはどうなのだろう。自然と人の交流の歴史、その趣旨は自分好みだがラインナップを見たところメジャーな印象は受けず。ただカス…

「でも今日じゃない」──映画『トップガン マーヴェリック』感想

『トップガン』はたぶん高校生の頃にレンタルで見ている。特別感銘を受けた記憶はなく、『マーヴェリック』も、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』も、映画館で何度も予告を見せられたのでお腹いっぱいの感があり、当初はスルーするつもりでいた。今調べたら当初…

人間は猫ほど賢くは生きられない──ジョン・グレイ『猫に学ぶ いかに良く生きるか』を読んだ

猫に学ぶ――いかに良く生きるか 作者:ジョン・グレイ みすず書房 Amazon 人間にとって世界は脅威に満ちた場であり生には不安がつきまとう。哲学も宗教も生きることに伴う不安とその苦しみから解放されることを目的にして生まれた。古代の哲学者たちは禁欲的な…

映画館とは他者のいる場所──『そして映画館はつづく』を読んだ

そして映画館はつづく──あの劇場で見た映画はなぜ忘れられないのだろう フィルムアート社 Amazon 日本各地のミニシアター支配人や関係者、また映画制作に携わる人たちへのインタビュー集。奥付を見ると2020年11月初版発行とある。最初の緊急事態宣言および外…

倉橋由美子『反悲劇』を読んだ

反悲劇 (講談社文芸文庫) 作者:倉橋由美子 講談社 Amazon ギリシア悲劇をモチーフにした短篇集。 「向日葵の家」はオレステスとエレクトラの物語。メタ的というのか、登場人物が芝居を演じていることに自覚的だったり、デウス・エクス・マキナを神ではなく人…

映画館で寝たのはひさびさ。映画『メモリア』感想(というほど覚えていない)

週末は大森にいた。初めて来る土地だった。水曜日から金曜までは県内ながら出張的なあれをしていてホテルに三泊。慣れないベッドと知らない人たちに囲まれて緊張があったのか、三日間とも寝付けず日中は睡眠不足気味。辛かった。しかし無事に金曜日に終える…

俺向きの映画ではなかった…『シン・ウルトラマン』感想

IMAXのレイトショーで。観客は思ったほどいなくて50人いたかどうか。レイトショーなので子供はゼロ、パッと見た感じ女性は数人しかいなかったような。おっさん一人客が多そうだったが若そうな人もいた。といってもジロジロ観察したわけじゃないから適当な見…

赤瀬川原平『超芸術トマソン』を読んだ

超芸術トマソン (ちくま文庫) 作者:赤瀬川 原平 筑摩書房 Amazon 路上観察学入門 (ちくま文庫) 筑摩書房 Amazon 超芸術トマソンの(一応の)定義は「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」。トマソンてなんぞやと思ったら1982年に巨人にいた…