2023-01-01から1年間の記事一覧

そこに「怪物」は存在したか? 映画『怪物』感想

この映画について核心に触れずに感想を書くことは難しい…。 なので以下ネタバレあり。 この映画は内容をあまり知らずに見に行った方が驚きがあり楽しめると思う。予告は見ていても問題ない。予告は核心部分にはふれていない…わけじゃないがミスリードされて…

映画『TAR/ター』を見た

見た…のだが何が言いたいのかよくわからん映画だった。 以下、ネタバレあり。結構厳しめの感想。 ラジオでの町山さんの紹介を聞いたときは才能ある傲慢な音楽家(指揮者)がキャンセルカルチャーにより栄光の座から失墜する、そんな話なのかなと勝手に想像し…

松浦晋也『母さん、ごめん。2  50代独身男の介護奮闘記 グループホーム編』を読んだ

母さん、ごめん。2 ― 50代独身男の介護奮闘記 グループホーム編 作者:松浦 晋也 日経BP Amazon 前作、要介護の母親と同居する独身中年として共感しながら読んだ。 前作は著者が自宅介護の限界を悟り母親をグループホームに入居させるまで。本書はそこから始…

4DX3Dは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』のために作られた

と思ってしまうくらいハマっていた。 自分、マーヴェルとか全然知らない。見てないから。 この映画も前2作は見ていない。 だが少し前にジェームズ・ガン監督の『極悪党、集結』が評判いいのを知りどんなもんかと配信で見てみたらあまりに面白すぎてぶっ飛ん…

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を見た

4DX3D吹替で。 3D映画見るのはたぶん『ライオン・キング』以来。たしかIMAX3Dだった。 さっき調べたらファミコンのスーパーマリオ発売が1985年。今年で38年。もうそんなになるのか。 自分が45歳。小学生の頃からマリオはあった。が、あまりゲームに親しむ子…

伊藤明彦『未来からの遺言 ある被爆者体験の伝記』を読んだ

未来からの遺言――ある被爆者体験の伝記 (岩波現代文庫) 作者:伊藤 明彦 岩波書店 Amazon 被爆者体験の記録をしてきた著者はある会合である被爆者の男性と出会う。彼は長崎で被曝したと自己紹介した。 男性の語る半生は過酷でありながらドラマチックでありま…

サンライズ瀬戸で高松へ行ってきた

サンライズ瀬戸・出雲は国内唯一の寝台特急であるという。 寝台特急、ロマンがある。存在を知ったのは『ぱらのま』1巻を読んで。お姉さんが車内で横になって個室の窓から向かい側ホームに整列する勤労者を眺め優越感に浸る印象的なシーン。これで興味を持っ…

西牟田靖『本で床は抜けるのか』を読んだ

本で床は抜けるのか (中公文庫) 作者:西牟田靖 中央公論新社 Amazon 蔵書整理に関する本。 タイトルになっている疑問に関しては最低でも1000冊から心配すればいいようなので紙の本の蔵書が400冊以上500冊未満*1な自分はとりあえず心配しなくてもよさそう。ま…

自己啓発について。『スペクテイター<51号>自己啓発のひみつ』と『闇の自己啓発』を読んだ

スペクテイター〈51号〉自己啓発のひみつ 幻冬舎 Amazon 『スペクテイター』でのインタビューで真鍋厚さんは自己啓発の定義について「身体やメンタルといった自己の能力について、自主的な向上を目指そうとする考え」だと答えている。 その方向性は二つ。一…

齊藤彩『母という呪縛 娘という牢獄』を読んだ

母という呪縛 娘という牢獄 作者:齊藤彩 講談社 Amazon ブクログの感想からコピペ。 滋賀県で起きた娘による母親殺害事件を、娘との手紙のやりとりから再現する。ノンフィクションだが小説のように読める不思議な書き方。表紙のイラストがすごいな。 母親は…

幸福とは継続である──坂口恭平『継続するコツ』を読んだ

継続するコツ 作者:坂口恭平 祥伝社 Amazon ブクログの感想をコピペ。 人はみな何かを作ることを継続して日々生きている。生活すなわち継続。それが人生の幸福につながっていく。「幸せとは、自分が興味のあることを今も継続できていることである。」この継…

小島美羽『時が止まった部屋 遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし』を読んだ

時が止まった部屋:遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし 作者:小島 美羽 原書房 Amazon 著者は遺品整理・特殊清掃で働く専門家。実際の現場を再現したミニチュアの製作も行っている。それを紹介しながら孤独死現場での体験とそれに基づいた意見を述…

長瀞を歩いてきた

天気がよく暖かったので出かけた。目的地は長瀞、宝登山。何度か宝登山神社へは行ったことがあるが(阿佐美冷蔵のかき氷も一度食べた)むろん山へ入ったことはない。道路の混雑を避けるため通勤時間を過ぎた頃を見計らって出発。関越に乗り花園ICまで。降り…

2023年の桜

今朝、5時頃に目が覚めた。早朝覚醒の変なテンションで散歩がてら桜を撮ってきた。今年は近くの公園の見頃に雨が降ってしまい満喫できなかった感あり。去年は連日通って熱心に写真を撮ったようだが今年は今ひとつ気分が乗らず、2回行ったきり。去年の記事を…

岡崎次郎『マルクスに凭れて六十年 自嘲生涯記』を読んだ

マルクスに凭れて六十年: 自嘲生涯記 増補改訂新版 作者:岡崎 次郎 航思社 Amazon ブクログに書いた感想をコピペ。 岩波文庫、大月書店の『資本論』翻訳者による暴露本的な自伝。法政大学出版局から出る予定だったが当大学の教授や学生を揶揄する箇所を書き…

鈴木大介『ネット右翼になった父』を読んだ

ネット右翼になった父 (講談社現代新書) 作者:鈴木大介 講談社 Amazon 著者の父親は晩年にヘイトスラングを口にし、右傾的なYouTubeチャンネルを視聴し、社会的弱者は自己責任と批判するネット右翼と化した。その原因を父親の死後検証する、という内容。 結…

大江英樹『90歳までに使い切る お金の賢い減らし方』を読んだ

90歳までに使い切る お金の賢い減らし方 (光文社新書) 作者:大江 英樹 光文社 Amazon 以下、ブクログの感想からコピペ。 日本人は死ぬ時にもっとも金を持っている。大金を残したまま死ぬよりも生きている間に使い切る方が幸福ではないか? という『DIE WITH …

浜辺美波が最高すぎたんだが? ──映画『シン・仮面ライダー』感想

仮面ライダーはブラックをたまに見ていたくらい。もっと小さい頃スーパー1を見ていたような記憶もおぼろげにあるがムックを読んだだけかもしれない。どのみち覚えていないのだから見たことにならない。自分の仮面ライダーはブラックである。アマプラのブラッ…

新宿御苑で桜を撮る

近所では桜が少しずつ咲きはじめた。本格的な開花は来週以降になりそうだが来週はほぼ毎日雨の予報。なので早めだが天気のいいうちに花見に行くか、と日曜、同行者とともに新宿御苑へ。なぜ近場の公園などではなくわざわざ電車に乗って新宿御苑なのか。新宿…

初めてのTime Machine

正確には覚えていないが多分20年以上パソコンを使っている。初めて買ったNECのラップトップにはWindowsMeが入っていた。その後4回買い替えて現在はiMac late2015を使っている。この間、ただの一度としてバックアップを取ってこなかった。大切なデータといっ…

高村友也『自作の小屋で暮らそう』を読んだ

自作の小屋で暮らそう ──Bライフの愉しみ (ちくま文庫) 作者:高村友也 筑摩書房 Amazon 山梨のとある雑木林の中に自作の小屋を建てて暮らしている著者の生活記録。副題のBライフとは「安い土地でも買って適当に小屋でも建てて住んじゃおうという、言ってし…

小野一光『新版 家族喰い』を読んだ

新版 家族喰い 尼崎連続変死事件の真相 (文春文庫) 作者:小野一光 文藝春秋 Amazon 尼崎連続変死事件についての本。この事件でインパクトがあったのは主犯の「ファミリー」が暮らしていたマンション最上階の部屋のバリケード。周囲から見えないように囲って…

パートナーとしての動物、家畜としての動物──濱野ちひろ『聖なるズー』と内澤旬子『飼い喰い 三匹の豚とわたし』を読んだ

聖なるズー (集英社文庫) 作者:濱野ちひろ 集英社 Amazon 『聖なるズー』は主にドイツの動物性愛の人々(ズーフィリア)を取材した本。動物性愛、動物とセックスするなんて、と読む前はちょっと忌避感があった。しかし読んでみると読む前想像していたのとは…

頭木弘樹 編『うんこ文学 漏らす悲しみを知っている人のための17の物語』を読んだ

うんこ文学 ――漏らす悲しみを知っている人のための17の物語 (ちくま文庫 か-71-4) 作者:頭木 弘樹 筑摩書房 Amazon 珍しい、排便にまつわるアンソロジー。よかったのは尾辻克彦「出口」、山田風太郎「春愁糞尿潭」、筒井康隆「コレラ」、山田ルイ53世「ヒ…

松本清張『小説帝銀事件』を読んだ

小説帝銀事件 新装版 (角川文庫) 作者:松本 清張 KADOKAWA Amazon (ブクログの感想から引用) 小説と謳っているがノンフィクションのような。方便だろうか。序盤は読ませるが中盤から終盤にかけての叙述が公文書のように硬くて読み飛ばし。松本清張の文章、…

映画『対峙』を見た

銃乱射事件の加害者と被害者の両親4人による対話。舞台はほぼ教会内の一室のみ。動きはないに等しく、ひたすらに対話が続く。演劇に近い。しかしテーマのシリアスさと俳優たちの迫真の演技のせいか、退屈せず最後まで見られた。 最初は何のための集まりなの…

岩瀬達哉『キツネ目 グリコ森永事件全真相』を読んだ

キツネ目 グリコ森永事件全真相 作者:岩瀬達哉 講談社 Amazon 1984年に起きた、日本の犯罪史上初の劇場型犯罪。自分は当時7歳だった。リアルタイムでの記憶はない。菓子が店の棚から撤去された覚えもない。メインの現場が関西圏だったからというのもあったか…

映画『ベネデッタ』と『別れる決心』を見た

久々の映画ハシゴ。金曜日、ユナイテッド・シネマは1100円で鑑賞できるからいい。そのぶん客も多くなってしまうが。 『ベネデッタ』 昼前の回。マイナー映画なのにシネコンでかかったのはありがたい。都心のミニシアターだと満席かそれに近いくらい席が埋ま…

「神の子」、社会に出たらカルトの子──米本和広『カルトの子』と菊池真理子『「神様」のいる家で育ちました』を読んだ

2冊とも宗教二世に関する内容。 カルトの子 論創ノンフィクション 作者:米本和広 論創社 Amazon 『カルトの子』の取材対象となる宗教はオウム真理教、エホバの証人、統一教会、幸福会ヤマギシ会、ライフスペース。これらカルトと呼ばれている新興宗教の二世…

映画『FALL/フォール』を見た

近場で公開していないので西武線を利用して大泉学園駅のT・ジョイSEIBU大泉まで見に行った。初めて行く映画館。2019年から映画館で映画を見るのを趣味にするようになり、当初はちょっとしたお出かけも兼ねて埼玉県内や都内の映画館をあちこち回ったりしてい…